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THE YELLOW MONKEYの紅白初出場曲が「JAM」だった違和感

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      2020/05/04

「THE YELLOW MONKEYが好きだ」という人は大きく2つに分けることができる。
それは「JAM以前」か「JAM以降」だ。

僕は家から5分のホールで行われた昨年のツアーにすらいけなかったような人間なので「ファン」とは言えないかもしれないけれど、90年代のザ・イエローモンキーをそれなりに聴いてきた自負があります。
※最後のメカラウロコもライブに行かなかったくせにパンフだけ買ったっていう、まぁそういうぐらいの人間ですw

僕のように中高生ぐらいの時に90年代初頭のイエモンに出会っている人は「JAM」というシングル曲の印象ってすごかったと思う。
当時流行っていたカラオケボックスで、男子も女子もみーんな歌っていたなぁ・・・懐かしい。

昨年再結成を果たしたTHE YELLOW MONKEYは同年末のNHK紅白歌合戦に初出場し、そこで披露されたのが「JAM」でした。

JAMかぁ・・・。

年末、妻の実家で「笑ってはいけない」を観ながらも、THE YELLOW MONKEYの出場タイミングだけ紅白を見ることができた僕は、そこにちょっとした違和感を覚えたのでした。

イエモンのNHK紅白初出場曲が「JAM」だった件について感じたこと

90年代初頭から中盤ぐらいに、番組タイアップだったり音楽番組のCMだったりでちょいちょい見かけるようになったTHE YELLOW MONKEYは、僕にしてみたら歌謡曲×ロックという美しいメロディに吉井和哉氏の独特の歌声が乗った他に類を見ないバンドでした。

ちょうど僕が知ったのがこの時期で、「追憶のマーメイド」がリリースされた時には震えたもんです。

今になって思うのは、あのサウンドこそが吉井氏がデヴィッドボウイから感銘を受けた流れの中にあったものだったんじゃないかな、ってところです。

その後リリースされた「太陽が燃えている」は、明るくもどことなく切なく、キャッチ—で誰にでも受け入れられそうなんだけど、やっぱりイエモンっぽいロックな曲で、僕自身は解散後も再結成後も昔から通して一番好きな曲だったりします。

実際に「太陽が燃えている」は一般的に受け入れられて、THE YELLOW MONKEYを有名にした曲だったと言えるでしょう。

そんな「太陽が燃えている」から半年後にリリースされたのが「JAM」でした。

JAMはとにかく売れた。とにかく名曲だった。

JAMはもう、とにかく売れました。
当時の中高生で「THE YELLOW MONKEYなんて知らない」という人はたくさんいたけれど、「JAMを知らない」という人はいなかったぐらい。

高校の帰りにカラオケボックスによって帰ってたヤツらなら、誰かが必ず歌っていたことからそのフレーズを覚えてしまい、歌えるようになっていたはずです。(偏見)

とくにその歌詞にある「飛行機」に関する部分が、若い僕らの心をつかむのにはとてもわかりやすかったんですね。
今でこそ「ニュースキャスター、そういうつもりで言ってねえだろ」って突っ込まれることも多い詞ではありますが、当時の僕らは純粋にあのフレーズとメロディが胸に突き刺さっていたわけです。

実際、僕も当時ギターの練習をしていて、初めてコピーしたTHE YELLOW MONKEYの曲がJAMでした。

部屋で弾き語りをして自分に酔いしれたり、友達とバンドの真似事をしてスタジオでセッションしたりもしました。

だからこそ感じてしまうNHK紅白歌合戦での「JAM」チョイスという違和感があるんです。

JAMはTHE YELLOW MONKEYっぽくない

その違和感というのは、僕自身「JAM」がTHE YELLOW MONKEYっぽくないと思っているところに起因しています。

JAMって、大人しすぎるんですよね。
バラードだから仕方ないのかもしれないけれど。

楽曲に注目すると、ギターもエマじゃなくていいし、ベースもヒーセじゃなくていいというか。
なんだったら冒頭からキーボードだかシンセっぽい音が入ってますし、THE YELLOW MONKEYではなく吉井和哉でいいんじゃないか!?って思えちゃうんです。

もちろんバンドだって同じような曲ばっかりというわけにもいかないと思います。
ただ、「THE YELLOW MONKEYといえばこの曲だよね!」っていうのに「JAM」だと、なんか違うな、と。

THE YELLOW MONKEYを知らない若い子たちが「この曲、すごく素敵!!」とはなるかもしれないけれど、「THE YELLOW MONKEYってこんな感じの曲をやる人たちなのね!!」と言われたら、YESとは言えない感じがするからです。

紅白は誰のためのものか

ただまぁ、NHK紅白歌合戦という場を考えると仕方ないのかなと思う部分もありますね。

NHK紅白歌合戦は、大前提として「日本国民」のために放送されています。
なので、ファンが望む選曲かどうか、本人たちが望む選曲かどうかなんてたぶん関係ないんだろうなと。

要するにNHK側が国営放送として、国民が聴きたいと思う曲をやるということです。

だから売れてようが売れてまいが、毎年あの鐘を鳴らしてみたり、紅に染まってみたり、女々しくてつらくなったりするわけですよね。
※昨年は鳴らなかったみたいだけど。

そういう意味でいうと、THE YELLOW MONKEYの代表曲は「JAM」だったんでしょうね。
当時の若い子たちが誰でも知っていた曲だし、紅白を見ている若い子からおじいちゃんまでみんなが「ええ曲や・・・」ってなる曲ですし。

おわりに

冒頭で、「THE YELLOW MONKEYを好きな人はJAM以前かJAM以降で分けられる」と書きましたが、JAM以降(性格にはSPARK以降)のTHE YELLOW MONKEYはそれ以前に比べてややハードロックな路線が強まったように思います。

JAMで知って、ファンになった人たちからすると、それ以降のTHE YELLOW MONKEYが正しいんでしょうし、それ以前から知っていた方からすればまた違った捉え方があるはずです。
それだけ楽曲が幅広いというか、いろんな側面があるのが僕のTHE YELLOW MONKEYに対する印象です。

僕は以前10代の子から「オススメのアーティストがいたら教えてください」と言われ、「THE YELLOW MONKEYって知ってる?」と聞いたら「誰ですかそれ・・・」となり、それから「オススメされたイエローモンキー聴いたけど、あんまりよくなかったです」と言われた経験があります。

その彼がいったい何を聴いたのかはわかりませんが、導入のための曲としてJAMを薦めていたら結果はまた違ったのかもしれません。
JAMっていうのは、それだけ影響力の強い曲だと思っています。

ただ、今回のNHK紅白歌合戦初出場で初めてTHE YELLOW MONKEYを知った人、そして初めてJAMを知った人も多いと思いますが、「THE YELLOW MONKEY = JAM」のような形になってしまうのはなんとも釈然としない、そんなお話でした。

追記

誤解のないように書いておくと、「JAM」という曲自体は「太陽が燃えているみたいなキャッチーな曲作らんかい」っていうレコード会社の指定を無視してまで吉井氏が世に出したかった曲なので・・・本来はとってもイエモン的なんだと思います。

あくまで僕が「こうあってほしい」と思うイエモンから外れていた、というだけである点をご了承ください。

   

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      2020/05/04

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Comment

  1. トルネオ より:

    こんにちは!

    違和感…確かにそんな気もしました。

    個人的には「太陽が燃えている」や「楽園」や「LOVE LOVE SHOW」あたりが紅白にふさわしいように勝手に思ってました。

    ちなみに私は「楽園」が一番好きだったりします。
    猫も連れて行きたいです。

    「JAM」も良い曲に違いないのですが、正直紅白で披露するには些かメッセージ性が強すぎる様な…そんな気がします。
    無論、メンバーにも様々な思いがあってこの曲を選んだのだと思います。そうでなければ、あの大晦日の全面広告の意味が無いです。

    ただ、個人的にはKaketayoさんの言う違和感みたいな物がモヤモヤしてました。

    「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ。」
    全面広告に記されたこの一文ですが、この歌の解釈によっていろいろな意味を持ちそうなのですが、深すぎて能無しの私には上手く理解出来ないです…。

    「JAM」の自分なりの解釈だと“嫌な世の中だけど流されんなよ!”みたいな感じかなぁ、と思っていましたので、それがそのまま今の世にも当てはまるから、“今こそこの曲を聞いてくれ!”って事なのかと思います。

    まぁ、バンド経験どころか、楽器もろくに演奏出来ない人間が偉そうに語る事でも無い気がしますが、違和感、という所に何故か引っかかってしまったのでコメントさせていただきました。

    やっぱり紅白にあの歌は重かったように思います。

    • kaketayo より:

      トルネオさん

      こんにちは!コメントありがとうございます。

      >ちなみに私は「楽園」が一番好きだったりします。
      >猫も連れて行きたいです。

      吹きましたw
      好きにやればいいですw

      >「JAM」も良い曲に違いないのですが、正直紅白で披露するには些かメッセージ性が強すぎる様な…そんな気がします。

      ああ、なるほど。そっちの違和感もありますね!
      お祭りなのに、この曲でいいの!?みたいな。

      そう思うと太陽が燃えている、楽園、LOVE LOVE SHOW・・・っていうのもわかります。

      >「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ。」
      >全面広告に記されたこの一文ですが、この歌の解釈によっていろいろな意味を持ちそうなのですが、深すぎて能無しの私には上手く理解出来ないです…。

      残念だけど、僕はその全面広告を知りませんでしたw
      あえてそういう一文を載せたっていうことは、何か意味があっての選曲だったんでしょうね~。

      僕はなんとなく2016年のイエモン復帰から2016年の曲(砂の器とか)をやるのかと思っていたところに「JAM」をぶつけられたので、やっぱり「売れた曲」「みんなが知ってる曲」「みんなが『いいよね!』って言う曲」がNHKからのオファーだったのかなーと結論付けていたのですが・・・その広告の話を聞いたらもっと深そうですね。

      >まぁ、バンド経験どころか、楽器もろくに演奏出来ない人間が偉そうに語る事でも無い気がしますが、

      いやいや、音楽は自由でしょう!w
      聴き手の数だけ解釈があっていいと僕は思ってます。

      >やっぱり紅白にあの歌は重かったように思います。

      そうですね。
      でも、確かにそういうメッセージ性の重さについての違和感でとらえるのなら、紅白にそれをぶつけたという姿勢はロックですね!
      逆にそれを狙っていたのかな・・・。

      • トルネオ より:

        再びこんにちは!
        コメントありがとうございます。

        >紅白にそれをぶつけたという姿勢はロックですね!
        そう言われればそうですね!これ以上ないくらいにロックな姿勢だと思います!

        去年は色々あって嫁の実家で年を越した事もあって、珍しく(もしかしたら初めて?)紅白を最初から最後まで通して見てました。
        世間からはグダグダだのタモリとマツコの扱いが酷いだの言われていましたが、結構普通に見れてたと思うんですけどね…

        特にタモさんとマツコのくだりは、ちょっとメタなネタを入れ込みつつ紅白の舞台裏を見せたりしていて、結構見どころ多かったと思います。
        逆に彼らを普通に審査席に座らせてても、せっかくの持ち味が活かせないでしょうし、喋らせてナンボなのに曲の合間合間で数秒コメントさせるだけなんてのは逆につまらなくさせるだけかと…

        話が逸れました。
        何にせよ、あの歌声が再び聞けた事が何より嬉しかったですね。
        「紅白なんて頼まれたって出ないぜ」ってのがロックと言われて久しいですが、私はそういう参加できる場所に赴いて、その中での信念を貫き通せる生き様も十分ロックだと思っていますので、前出の違和感はありましたがカッコよかったという方が大きかったです。

        是非今年も出てほしいですね。

        • kaketayo より:

          トルネオさん

          いやいや、本当にこちらがコメントありがとうございます!w

          >去年は色々あって嫁の実家で年を越した事もあって、珍しく(もしかしたら初めて?)紅白を最初から最後まで通して見てました。

          僕も例年妻の実家で年越しをするんですが、今年はなぜかリビングのテレビを開放して貰えたので思う存分「笑ってはいけない」を観ることができました。

          >世間からはグダグダだのタモリとマツコの扱いが酷いだの言われていましたが、結構普通に見れてたと思うんですけどね…

          言われてましたね。
          あとはシンゴジラとコラボした演出があったりと、NHKとしても既存のスタイルを打ち破りたかったのか試行錯誤した感じがしますね。
          もしかしたらイエローモンキーの出演もそういうところに関係していたのかな。

          >逆に彼らを普通に審査席に座らせてても、せっかくの持ち味が活かせない

          たしかに!
          そっちの方が逆に叩かれてたかもしれませんねw

          >「紅白なんて頼まれたって出ないぜ」ってのがロックと言われて久しいですが、私はそういう参加できる場所に赴いて、その中での信念を貫き通せる生き様も十分ロックだと思っています

          同感です。
          僕は「ロックとはこういうもの」という定義を作っちゃう時点で、それはもうロックではないと思うんです。
          なので、その時その時の時代にあったカッコ良さとか、自分流のスタイルを貫いている人たちって十分ロックなんですよね。

          そして、ロック云々はさておき、カッコいいです。やっぱり。大好きです。
          新曲ももっともっと聴きたいですし、2017年の活動もかなり気になってます。