「デザインとはカッコ良くすることではない」のか?
数年前に佐藤可士和さんがデザインされたセブンイレブンのコーヒーマシンがこき下ろされていたことがありました。
眠れないのでテプラ増やした。 pic.twitter.com/Eh66Gc5ZT2
— 佐々木良 / キンモクセイ (@ryo_sasaki) January 28, 2015
要は「直感的にわかりにくい」ってことで、デザインをはき違えていると。
「デザインというのは見た目をスタイリッシュに、カッコ良くすることを意味するのではない」、と。
コーヒーマシンの件で言えば、「わかりやすいように」テプラが貼られる事態となり、結果的にカッコ悪い見た目となってしまい、デザインの敗北であると揶揄されていたのです。
ただ、本当にそうか???と。
本当に「デザインはカッコ良くすることではない」のか???
今になって思うのは、有名なデザイナーのデザインが一部のユーザーにわかりづらかったから面白おかしく茶化しただけなんちゃうか??と。
今日はそんなお話であります。。。
Bセットを「ベスト」と言うお客
実はわたくしも過去にデザインで失敗したことがあります。
自分でやっていた飲食店がありまして、そこのランチメニューを元デザイナーの弟にお願いしたんですよ。
ランチメニューは4種類あって、それぞれ「Aset、Bset、Cset、Dset」と書いてあったんですね。
アメリカンな料理のお店ってことで、カッコつけてセット名は全部英語で書いてもらって。
あとは写真と日本語の補足と・・・ってところで、OKを出したのです。
いざ、そのメニューを使って営業を行っていたところ、あるお客さんがBセットを指さして「じゃあ僕はこの”ベスト”で!」って言ったんですよ。
わかります。
BsetをBestと読み間違えたんですよね。eとsが逆になっちゃったの。あるある。
たださー・・・。
じゃあ何?他のメニューは「アエスト」「チェスト」「デスト」だったんですか???
かっこよすぎじゃん!!!!
でまぁ、反省したんですよね。
わかりづらかったよなーって。デザインって、わかりにくくなっちゃダメよなーって。
でもさー。
長い営業日数で、「Bset」を「ベスト」って言ったの、1人だけだったんだよなぁー。
「カッコいい」が目的のデザインもある
で、佐藤可士和先生のコーヒーマシンですけども。
面白おかしく揶揄されてますが、元のデザインってそんなにわかりづらかったですかね・・・?
日本語で書いてないだとか、サイズが「小・大」ではなく「Regular / Large」であるとか。
特に「レギュラー」っていうのが日本人には馴染みがないとかなんとか言われてましたけど、、、そう??本当に?
いったい何人が利用して、どれぐらいの人が困ったの??
もし少数なのであれば、ただ単に感覚をアップデートできなかったクレーマーのクソデカボイスが「デザインの敗北」を作ってしまった可能性もあるわけですよ。
あんなの、「わかりづらい」というレベルじゃないと思うんだけどなぁ、、、
(世の中にはもっと機能してないデザインたくさんあるで、、、)
まぁ、それはさておきですよ。
「デザインはあくまで手段であり、目的ではない」と仰っている方がいましたが、確かにその通りなんです。
たとえば「お年寄りにも使いやすくしたいから、わかりやすいデザインにしてね」って言われてアレなんだったらNGだったでしょうよ。
でも、場合によっては「企業イメージをスタイリッシュにしたいから、シンプルでカッコいいデザインにしてね」っていう発注の可能性もあるわけで。
それだったら、カッコつけること自体が目的なんだから「デザインとはカッコつけることではない」みたいなのも正しくなくなってくるんじゃないでしょうか。
世の中のデザインの目的が全て「直感的に使いやすいこと」なのか否か?
ワタクシはそこが気になるであります。
おわりに
ちなみに、なんですけども。
もしセブンで「Regular / Large」じゃわかんねーよ!ってお怒りのおじがいたとして。
その人に「小さいほうがレギュラー(R)ですー」って教えてあげたら、次からは使えるようにならないんすかね??
やっぱ自分にわかりやすいように作ってもらえないといつまでたっても対応できないんでしょうか??
(テプラいっぱい貼ってあって初めて「よしよし、これでわかるぞぉー」ってなるのかなぁ)
そうなるとスタバとかもグランデだのベンティだの言ってるバヤイじゃなくなると思うんすよねえ。
やっぱそこは「セブンなんで!」ってこと?「スタバみたいにオシャレじゃないんで!」みたいな?
佐藤可士和氏にデザイン依頼した担当者の思惑的にはどっちが正解だったんでしょうね。
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