ハリスツイードのダイソーコラボから思う、ブランドの価値の考え方と評価
2019/12/12
いまや「しまむらのブランド」と思っている人も多いのではないかという「ハリスツイード」が、ついにダイソーともコラボをしたというニュースを見てビックリしました。
ハリスツイードは英国王室御用達で、100年以上の歴史があるブランド。
厳しい基準にクリアしたもののみがハリスツイードとして認められているんだそうです。
そんな老舗ブランドがあのダイソーと。コラボ。
しかもORBの商標つき=厳しい基準にクリアしている、ということ。
いろいろ考えさせられるところがありますね。
ハリス x ダイソーから思うこと
こういったブランドと他媒体のコラボというのは何も珍しいことではなく、ここ数年のファッション雑誌なんかもブランドタグのついたアイテムを付録にしているのをよく見かけます。
でもこういうのっていつも疑問なんですが、「ターゲット誰なの?」って思うんです。
※いつもこんなことばっか言ってるな・・・。
ファッション雑誌に付いているということは、少なからずファッションに興味がある人が買うわけですよね。
で、この人たちは高いお金を出してファッションアイテムを買っている人たちなわけで。
この人たちがオマケクオリティのブランドアイテムを喜んで身に着けるとは思えないんです。
そう思うと、「ブランド名は知っているけれど、高くて買えない」と思っている層に「雑誌を買わせること」が目当てなのかな?
だとしたらブランドは廉価なアイテムをその雑誌に卸すことで得られるメリットは何なんでしょうね・・・。
そもそものブランドの意味を考えると、ありなのかもしれない
そもそもブランドっていうのは、「品質」の証明を意味します。
たとえば「A5ランクの牛」と言えば、単純に「美味しいよね」ってこととか、ちゃんとした環境で育ったよねとか、そういうことをいちいち語らずとも「A5ランク」というだけでユーザーが品質を測る目安になるというか。
だから「但馬牛」とか「松坂牛」とか言われるとそれだけで「いいもの」って判断するわけです。
これがブランドの成り立ち。
つまり、ルイ・ヴィトンとか、シャネルとかの高級ブランドに限らず、Poloとか吉田カバンとか、ユニクロとかも同じで、そのブランド名=その品質を証明していることに繋がるわけですよ。
雑誌についているブランドアイテムは、どうもそのブランド名だけ借りてきた廉価アイテムである印象が強い。
僕は「なんちゃってブランドアイテム」なんじゃないかと思っています。
それに比べて今回のダイソーのハリスツイードは、ダイソーで取り扱っておきながら500円とか600円とかしているそうです。
そう思うと雑誌のおまけでついているような「なんちゃってブランドアイテム」とはもしかしたらその品質で差をつけられるようなアイテムなのかもしれませんね。
ブランドに優位性を得たい人には不向き
もし、「ハリスツイードクオリティの小銭入れを手軽に買いたい」と思うなら、ダイソーで買えるハリスツイードはそのブランド価値があるものなのかもしれません。
でももし、「ハリスツイードのブランドタグがついた商品が欲しい」という場合には「しまむらのカバン」「ダイソーの小銭入れ」というイメージが強くついてしまっているために、適さないのかもしれないですね。
今現在において「ブランド」というのは品質だけを測る道具ではなくて、「それを持っている」という優位性を得るためのものでもあるわけです。
とくにおしゃれに敏感な人からしたら、その意味合いの方が強いのではないでしょうか。
ブランドの価値を品質ではなく優位性で感じている人からしてみたら、こういったコラボはそのブランドの価値を下げてしまうことに繋がり兼ねないと僕なんかは思うわけですが、ブランド側としてはそれでも良かったのかな・・・?
おわりに
というわけで、ハリスツイードとダイソーのコラボを見て感じたことでした。
これ、たとえば「ダイソーでロレックスのコラボ腕時計が発売!税込み100,000円」とかだったら欲しいのかなぁ・・・?と思ったわけですね。
ぼくなんかはロレックスが欲しい理由って、時計の品質がどうこうじゃなくて「ロレックスだから欲しい」っていうものなんです。
でももし頑張って10万円のコラボ腕時計を買ったとして、それを自慢げにつけて街を歩けるか・・・?と言われると、なんだかちょっと恥ずかしい気がしてしまいそうなんですよね・・・。
10万円の時計ってすごいですよ。
僕なんか今持っている時計で一番高額なのでも5万円してませんからね、たしか。
なのに「あいつ、ダイソーロレックスつけてるぜ」って言われるのはなんだか恥ずかしいっていうのは・・・なんなんでしょうねw
でももし、ロレックスの品質に惚れこんでいて「ウッヒョォォオォ!10万円でロレクオリティが手に入るぜえええ」って感じだったら、堂々と身につけられそうなんだけどなぁ。
2019/12/12
Comment
こんにちは!
DAISOでそんな物まであるんですね…
一体誰得なんでしょう?
各種ブランドを商売にしている会社と仕事をしたことがありますが、要は大元のブランド会社からそのブランドの使用権利を借りて、ロイヤリティを支払えばそれを使わせてもらえる、という物です。
https://www.imgjapan.com/business/licensing.html
↑例えばこんなところです
勿論、それに見合った商品でなければいけませんし、そのブランド名をキズつけるような物は認可されません。
ですが、意外と敷居は低いようで、例えばフェラーリやアルファロメオのブランドが付いた自転車が一時流行りましたが、一般的な自転車に毛が生えた程度の価格帯で販売されていました。
つまり、ロイヤリティを払えばある程度は廉価な商品であっても認可される、という事らしいです。
おそらくですが、このハリスツイードのブランドも、どこかの会社を通じてしまむらやDAISOがお金払って借りてるのだと思います。
本家のハリスツイードにも当然この内容は伝わっていて、その上でOKが出ているのだと思いますが、おそらくその程度で安物が出回っても大元のブランド力は失われないという自信があっての事だと思います。
基本、ブランドを貸す方にも借りる方にもメリットがあるようにマネジメントされてるので、両社ともにWIN-WINなのだと思います。
あ、また長くなってしまった…すみません。
ちなみに、親父に貰った20万くらいする時計持っていますが…
私には1.2万程度のG-SHOCKの方が軽くて使いやすいです(w)
トルネオさん
こんにちは!コメントありがとうございます。
>一体誰得なんでしょう?
ダイソーにありながら600円という価格を考えると、もしかしたら品質はハリスツイードクオリティなのかもしれない・・・と思うと、手軽に高品質なポケットティッシュカバーが欲しいと思う層がターゲットだったりするのかなと考えました。
>各種ブランドを商売にしている会社
うわー、そういう仕事があるんですね!
いつもながら勉強になります。
>例えばフェラーリやアルファロメオのブランドが付いた自転車が一時流行りましたが
ありましたね・・・ルノーブランドのクロスバイクを買おうかと思って、自転車屋さんで「やめとけ」と言われましたw
>本家のハリスツイードにも当然この内容は伝わっていて、その上でOKが出ているのだと思いますが、おそらくその程度で安物が出回っても大元のブランド力は失われないという自信があっての事だと思います。
なるほど。ハリスツイード側としては主導的に展開しているのではなく、あくまで名前を貸しているだけで「あまりにも汚されなければオーケー」みたいな感じなんですね。
・・・素人意見ですが、しまむらやダイソーはあまりにも安価で蔓延りすぎるのでブランドイメージを損ないそうな気がしてしまいます。
>ちなみに、親父に貰った20万くらいする時計持っていますが…
羨ましいです。
若くして逝った僕の父が遺してくれた時計は、僕が今している時計よりもチープなものでした。
父は車が趣味で、サラリーマンでありながら多い時には3台所有していたのですが、車はどうしてもその価値の下落と所有しておく維持費を比べた時に手元になかなか残してはおけないものですね・・・。
といっても、僕も別に「高額な時計」が欲しいわけではないので、趣味の合わないものを遺されても困ったかもしれませんがw
こんにちは!
お返事ありがとうございます。
>ルノーブランドのクロスバイクを買おうかと思って、自転車屋さんで「やめとけ」と言われましたw
そうですね・・・
ちなみに、前記のフェラーリやアルファロメオと同じ会社が販売してます。
http://www.gic-bike.com/
粗悪品とかではないですが、名前のロイヤリティの分だけ機能的に見た相場よりも高い値段になっているので、性能の良い自転車が欲しい人にはおすすめ出来ないかと思います。
ちなみに、フェラーリのブランドでも超高額な自転車もあります。
コルナゴというイタリアの自転車メーカーとフェラーリとの共同開発した自転車で、フェラーリF1のカーボン技術を使った超軽量で高強度なフレームです。
そのお値段は、廉価な完成車モデルでも40万、高級モデルになるとフレームのみで50万、更に世界限定200台の完成車となると190万もします!
同じフェラーリの自転車とは思えないですが、実際にあるのですから仕方ないですね。
あ、そういえば海外ではHWブランドの子供用自転車もあるんですよ!
hotwheels bicycle とかで検索するとたくさん出てきます。
日本でも輸入してる所あるみたいですね。お子さんにどうですか!
http://item.rakuten.co.jp/ilovela/bi1006/
なんか自転車の話になっちゃいましたね、すみません。
まぁ、ブランド側も広く世間に知られるようになるのが目的みたいなところもあるみたいなので。ある意味グッズ的な扱いと割り切っているのかも知れませんね。
小学生がpumaやNIKEのペンケース持ってるのと同じなんですよ、きっと。
それはそれ、これはこれ、みたいな。
(…そういえば、HWとのコラボ商品で、シボレーカマロHWエディションってのがありましたね…)
トルネオさん
>粗悪品とかではないですが、名前のロイヤリティの分だけ機能的に見た相場よりも高い値段になっている
結局はそういうことになりますよね。
本来のブランドの意味合いとは逆になっちゃってないかな?と思うんです。
なぜフェラーリの、なぜアルファロメオのブランドのついた自転車を購入するのか?
ユーザーはブランドから安心を買っているはずなんですが・・・いつのまにかブランド名だけを買っちゃっているという事態になっているんだなと。
ちなみに今日はシェビーの自転車を見ましたw
>フェラーリF1のカーボン技術を使った超軽量で高強度なフレームです。
そうそう!
これこそが「フェラーリブランド」だと思うわけですよ!
もし、こういうのを求めないのなら、適当な自転車を赤く塗って、ネットで仕入れたエンブレムを貼ればそれでいいんじゃないか・・・?と。
・・・まぁ、その理屈で行ったら僕も、ノーロゴのロレックス風ダイバーズウォッチを買ってロレックスのロゴを自分で入れればいいって話になりますけどね~・・・。
>HWブランドの子供用自転車
ちょwww
欲しいですけど!これを選ぶ理由が見当たらないですw
それこそ「なんでHWなのに自転車なのよ」って言われそう。
子供が自転車に乗る年齢になる頃にどっぷりHWにはまってたら・・・選ぶかもしれませんw
>小学生がpumaやNIKEのペンケース持ってるのと同じなんですよ、きっと。
おおお、なるほど!その通りですね!
「なんでpumaなのにペンケースなんだよ!」って言われても、こどもの頃にはpumaのペンケースが欲しかった記憶があります。
>(…そういえば、HWとのコラボ商品で、シボレーカマロHWエディションってのがありましたね…)
ちょ、最後になんつー置き土産していってるんですかw
>ちょwww
>欲しいですけど!これを選ぶ理由が見当たらないですw
いや、わからないですよ…
10年ほど前ですが、某ブリ〇ストン自転車をかったお子様に非売品トミカが貰えた事があったとか無かったとか…
例のカマロの時だって、非売品としてレギュラーと塗装の違う3インチカマロを購入希望者とかにばら撒いてたみたいですし、HW自転車だってもしかしたら!
って、日本に流通してないのでわからないですけどね。
トルネオさん
>10年ほど前ですが、某ブリ〇ストン自転車をかったお子様に非売品トミカが貰えた事があったとか無かったとか…
ああ、なるほど。。
そっち方面から大人が釣られる心配があるわけですね・・・。
でも、その理由では妻が納得してくれそうにないのが容易に想像できますw