シルクドゥソレイユ「TOTEM(トーテム)」の感想と、座席についての注意
2020/05/02
ついにシルクドゥソレイユの移動公演「TOTEM(トーテム)」を観てきました。
コストコで安価にチケットを入手した時、「まだまだ先だなー」なんて思っていたのが、終わってしまうと早いものです。
ショーの感想と、これからチケットを取る方へのヒントになりそうな事を書いておきます。
ショーについての多少のネタバレ的な事を書いてしまうと思うので、本番まで楽しみにしておきたい人はご注意を・・。
トーテムの感想
まず、前情報としてトーテムはシルクドゥソレイユの常設公演「KA」の演出家であるロベール・ルページュさんによる作品だという事だけ知っていました。
僕はラスベガスで「O」と「KA」だけは観た事があるんですが、どちらも凄かったです。
だからこそ、めちゃくちゃ期待が高まっていたわけです。
入口を入ると、軽くトラウマになるんじゃないかっていうトーテムのキャラクターが迎え入れてくれました。
カエルくんです。
写真はお約束で、ここまでしか撮影できません。
TOTEMの世界観について
トーテムを観に行く前には、世界観だけでも頭に入れておいた方が数倍楽しめると思います。
トーテムはそのまま「トーテムポール」から名付けられており、「地球における生命の誕生」と「両生類から始まる”人類の進化”」がテーマ。
こうした前情報がなく観に行ってしまうと、若干全体的な統一感のなさを感じてしまうかもしれません。
僕も観終わったあとにパンフレットを読んで納得した感じです。
演出家のロベール氏は今回、シルク側から”まるで新しいもの”を求められていたんだとか。
確かに「動物がいないサーカス」であるシルクにおいて、トーテムはまた新しい形のショーになっていたのではないかと思えます。
プロジェクションマッピング
TOTEMの印象に残っている事を1つだけ挙げるとしたら、「プロジェクションマッピング」です。
TOTEM自体が2010年スタートというキャリアを考えると、他の施設などで観ることができる「最新のプロジェクションマッピングを駆使した演出」にはいささか劣るかもしれません。
ですが、それでもシルクドゥソレイユが「サーカス」じゃなくて「エンターテインメント」なんだと思わせるのに十分な演出がなされていたと思います。
※・・・偉そうに書いていますが、僕はプロジェクションマッピングへの造詣は全くもって浅いですし、今回の演出には単純に感動していますw
そして、この作品を語る時には、どうしても同演出家による「KA」と比べてしまうと思います。
そういえばKAの舞台装置にも特長的なプロジェクションマッピングが使われていました。
ロベール氏の得意分野なのかな・・・?
トーテムはKAに比べて会場の規模が断然小さいですが、この演出のおかげで何倍にも広く感じられたのは良かったです。
ただ、逆を言えば舞台装置がほとんどプロジェクションマッピング頼りで、もうちょっと縦横無尽に動き回ってくれたら良かったのにな・・と物足りなく思ったのも事実です。
ショー全体の感想
ショー全体としては、なんとなく大道芸が多めで、派手な装置が少なかった印象。
とはいえ、一番最初の演目と一番最後の演目では「KA」のような力強さを感じたのが良かったです。
※安全のために何度も練習をしているとは思いますが、やっぱりヒヤヒヤさせられますね・・
シルク特有の「どこ観たらいいの!?」っていう、”あっちこっちで何かやってる感”は少なかったかな。
座席について
今回はSS席で真正面から斜めの22列目あたりでした。
SS席で22列目というと、前の方の座席という印象があるかもしれませんが、ビッグトップにおいては結構後ろの方です。
ビッグトップは狭いので、22列目のSS席を取るぐらいなら、逆に一番後ろでも良かったんじゃないかってぐらい。
むしろA席でも楽しめる自信あるw
※A席は舞台の両サイドから観ることになります。
ただ、これから座席を確保される方は気を付けた方がいいと思う問題が一つあります。
それは、場所によっては前の席とジグザグになっていない席があるということ。
今回僕がそうでした。
どういう事かというと、自分の目の前に「前の人の頭」が来る可能性があるわけです。
映画館でよくありましたよね!※最近は減ったけど
なるべく自分の座席が前の2人の間に位置しているようなところを確保するようにしたいところです。
今回は全体的に高さのあるショーではありませんので、必然的に後ろの方の席の人はステージを見下ろす形でショーを観ることになります。
その時に、自分とステージの間に前の人の頭があると見えませんし、ちょっとでも背伸びしようものなら後ろの席の人に舌打ちされますw
なんだよ・・こっちだってちゃんとお金払って観にきてんだから平等だろ・・って思ったけど言えませんでした。
子供連れについて
今回僕らはさすがに1歳半の息子を連れていけないなと思い、実家に預けてきました。
というのも、シルクドゥソレイユって日本でも海外でも常設公演を見る時に欧米の人はドレスアップしてるような物だった印象があるからです。
なんというか、ちょっとだけ「いいやつ」みたいな。
だから息子が泣いたり愚図ったりしたら周りに迷惑がかかるし、
息子本人からしても面白くもないだろうし、怖いだろうし、
それ以上に僕自身がショーに集中できないのも嫌だし・・・というわけでお留守番してもらいました。
そしたら、見事に隣の席の人がウチの息子と同い年ぐらいの子を連れて観にきていたというw
結果、ショーが始まる前はグズグズ言っていたその子も、ショーが始まったらグッと引き込まれていたし、みんなが拍手してたらその子も拍手してみたりと楽しめていたみたいで良かったけれど。
※でも最後にワァーッ!って拍手があがったら泣いちゃってたな・・
誤解のないように書いておくと、シルク側は「子供OK」というスタンスです。
しかもウチの子ぐらいの年齢の子は無料で入れます。
だからまぁ、ドレスアップするような人が変なのかなw
なんていうか、僕なんかからしたら「1万円ちょっとする高価なショー」って感じがしていたんだけれど、もしかしたらシルクはもはや「1万円ちょっとで見られちゃう安価なサーカス」って思って観に行くのが正しいのかもしれないですね。
おわりに
というわけで、なんだかんだ約1年半ぶりのシルクドゥソレイユは楽しかったです。
そしてやっぱり始まった瞬間に涙が出るぐらい感動してしまいました。
ただ、シルクドゥソレイユという存在自体が、世の中の人の関心レベルにおいて既に「新しくないもの」「あたりまえのもの」みたいな位置に来ているのかな?とも感じてしまったのも確かです。
というのも、演目の最中で「普通に考えたらすごいこと」をしている演者に対し、観客である我々がスルーしている事が多々あったから。
一昔前までは、腕の力だけで棒に水平につかまっていたら「すげぇーッ!」ってなっていたのに、今やほとんどの観客がそれじゃあ驚きません。
※子供は拍手していたけどね
むしろ演者が「ドヤッ」ってやるのを待って、拍手している感じ。
「トヤッ」っとやったところでみんなが一斉に拍手をするのを見ると、「僕らは拍手をする事でドーパミンを出しているんじゃないか」とさえ思わせられます。
もしかしたら、みんな既に”もっともっと欲しがっている位置”に来てしまっているのかもしれないですね。
「O」や「KA」は、今でも当時のような、観終わったあとボロッボロになるような感動を与えてくれるんだろうか?
そう考えたらまた観に行きたくなってしまいました。
シルクドゥソレイユの移動公演は、来た時を逃したら基本的には日本でもう一度観られることはありません。
そう思うとやっぱり来るたびに観に行ってしまうのだけれど、でも、それならもっと派手で、もっと新しいのを!と求めてしまうのは贅沢病かもしれませんね。(それとも貧乏性か)
追記
ソフトクリームを買ったらプラスチックのスーベニアマグがついてきたので、息子のお土産にしましたw
コップから飲み物を飲めるようになったのでちょうどいいかなと。
・・でもこれ、怖がりそう・・。
2020/05/02
Comment
参考になりました。ありがとう。明日見に行きます。
くみばあさん
コメントありがとうございます!
楽しんできてください^^