ブログが書けたよ!

自分がやってきたことだけなんでも書く、ジャンルむちゃくちゃマガジン

2-row malt とは?

 -

   

malt

アメリカのビールの原材料を見ているとよく2-ROW MALTという言葉が出てきます。

これってなんなんだろう?と思って調べてみました。

2-ROW MALTは二条大麦

いきなり答えを書きますが、
2-ROW MALTはそのまま直訳して「二条大麦(麦芽)」のこと。

麦には大麦・小麦・ライ麦などがあって、
その大麦にも六条大麦・二条大麦があります。

二条大麦はビールに適した麦で「ビール麦」とも呼ばれる品種です。

なんでわざわざ2-ROWと呼ぶのか

二条大麦がビールに適していて、「ビール麦」と呼ばれているのであれば、
わざわざ「2-ROW」の記載をする意味はどこにあるのか?

それには二条大麦と六条大麦の違いを知るところにヒントがありそうです。

二条と六条の違い

二条大麦と六条大麦の違いは以下の通り

二条大麦

  • 上から見た時に実が二列になっている
    (実際には六列だが二列の実が大きく、残り四列が退化してそう見えるそうです)
  • デンプンが多い
  • 主な用途が酒

六条大麦

  • 上から見た時に実が六列になっている
  • デンプンが少なく、酵素の力が強い
  • タンニンを多く含む
  • 主な用途が食用

見た目の違いはさておき、デンプンと酵素に着目してみます。
ビールの醸造過程であるマッシング(糖化)において、デンプンと糖化酵素は欠かせません。

ドイツ式のピルスナーがビールとして浸透している日本においては、
基本的に麦芽・ホップ・水・酵母による副原料なしのビール醸造が好まれます。

なので、麦芽のデンプンに頼ることになり、二条麦芽がビールに向いていると判断されます。

その逆でアメリカのビール醸造は自由です。
麦芽以外の副原料のデンプンを糖化するとなった時には
六条麦芽のような”デンプンは少ないが、酵素の力が強い麦芽”
が求められるのではないでしょうか。

そう考えると、「ビール麦」なんて呼び名は日本だけなのかもしれないですし、
アメリカのビール原料にわざわざ「2-ROW」と書く理由もわかる気がします。
(6-ROWの麦芽を使うビールもあるということ)

ちなみに六条大麦は二条大麦に比べて、タンニンが多い・・・と言う事で、
ビールに渋味のオフフレーバー(あってはならない味わい)をもたらす可能性が高まるみたいです。

そのあたりからも二条大麦が「ビール麦」と呼ばれる理由なのかもしれませんね。

ビールの醸造については以下の本で学びました。

また、木内酒造さんでBOPをやらせて頂いた事もあるのですが、
実際に造ってみると理解が深まりますね。
自分のオリジナルビールが造れる木内酒造のBOPをやってきた時の話

   

 -

   

スポンサーリンク