【怒ることじゃなくない?】のぶみ「あたし、おかあさんだから」は我が家でも意見が二分。
2020/05/04
絵本作家の「のぶみ」さん作、「あたし、おかあさんだから」という歌がめちゃくちゃ叩かれてますね。
歌詞を載せることはできませんが、どうも子供の為に自分を犠牲にする母親を讃えている「時代遅れの“ワンオペ育児”賛歌」であることが理由なんだとか。
僕はその歌詞を見た時、正直「わかるわかるー」と思ったくちで、全然叩かれる理由がわかりませんでした。
もうこんなの”辻ちゃん叩き”と一緒で「のぶみが書いたからうざい」みたいな感じだったんでしょ・・・?と思ってたんです。
そこで妻に「のぶみの歌、知ってる?叩くようなことじゃないよね」と尋ねたところ・・・妻は快く思っていないとのことでビックリ。
これ、もしかしたら男女で感じ方が違うのかもなぁ・・・なんて思ったりしました。
そんなようなことをダラダラ書いていきます。
ワンオペ育児を讃えているわけじゃないでしょ
こういう歌の捉え方って人それぞれなので何とも言えないところですが、僕は今でもこれが特に「ワンオペ育児をしている女性は偉い!」なんて歌詞ではないと思ってます。
それこそのぶみさんが言っている通り、「頑張ったよねえ、おつかれさま」的な歌詞にしか見えない。
なぜこれが曲解して・・・というか、ちょっと悪いように捉えられてしまったのか考えてみました。
育児を苦痛と考えているからかも
おそらくなんですが、歌詞にある「本当はバリバリ仕事がしたいけど育児をしなければならない」「本当は着飾りたいけど余裕がない」みたいなところから「育児=苦痛」というイメージが浮かんでしまい、それに耐え忍んでいる女性を美しいと言っている・・・ように感じたから怒っているのかな、と。
でも、のぶみさんがどう思って書いたかは知りませんが、僕は育児って苦痛だけじゃないと思うんですよ。
例えば僕も電車になんか全然興味がないのに、息子が好きだからという理由で電車の名前や型番をいくつも覚えたりしました。
本当は見たい映画があるのに、息子と一緒にしょーもないYoutubeの動画を観たりしています。
これってやりたくないことだし、めんどくせーと思う部分もあるけれど、結局は自分がやりたくて選択してやってることなわけで、苦痛でもなんでもないんですよね。
でも、頑張っているのは確かだし、誰かに「大変だね」って言ってもらいたい気持ちはあって・・・実際にこの歌詞を見た時に「わかるわかる・・・そうなんだよなぁ」と感じる部分に繋がったわけです。
他所と比べたって仕方ない
ぶっちゃけ、僕も独身の友人なんかが好き勝手遊んでいるのを見たりすると、ものすごく羨ましいです。
僕だって本当は「おしゃれな服着て、カッコいい車に乗って、フレンチ食べに行ったりしたい!」とか思うわけですよ。
特に僕ら夫婦には子供がいない年月が長かったから、妻とそうやって過ごした月日を思い出さないはずがないですし。
でも、他所は他所、うちはうち。
子供の頃母親によくそう言われたものです。
※そう言っていた母親が他所の子の成績と僕の成績を比べていたのは子供ながらに意味がわかりませんでしたがw
やりたくたってできないことはあるんですよ。
だって、おかあさんだし、おとうさんだから。
やりたきゃやりゃいいのよね
というか、それでも育児を犠牲にしてでもやりたければ自由にやったらいいんですよ。
どうせ一回きりの人生だし、正解なんてないんだから。
現に子育てなんてほっぽって遊んでいる人、いくらでもいるわけですし。
それをしないで自己犠牲を選択している人は少なからずそんな自分に酔っているわけなんで・・・放っておけばいいんです。
というか今回みたいに「お疲れ様、頑張ってるね」って言ってもらえたら、それだけで救われることだってあるんだし。
いったいどこに怒る要素があるんだろう・・・って思っちゃいます。
って、思うのは男親だけなのかも。
そんな風に考えていたんですが、やっぱり僕の妻なんかもその歌詞についてすごくイライラしていたんですよね。
さすがにとばっちりで謝罪するハメになっただいすけお兄さんには同情していましたがw
で、よくよく聞いてみると「お母さんはこうあるべき!」っていう歌に聞こえちゃうんだそう。
あとは女性がバカにされているって思うんだとか。
なるほどなぁ・・・。
特に毎日ワンオペで大変な思いをしているお母さんからしてみたら、ちょっと蔑まれているように思っても仕方ないのかもしれないですね。
きっとその背景には「女性は美しくあるべき」みたいな刷り込みもあるんでしょうし・・・実際に美しく居続けたいと思うんだろうし。
男親はワンオペ育児の大変さを知らない
そしておそらくは「おめーに言われたくねーんだよ!!」という想いも怒りに火を注ぐポイントだったんじゃないかなと思うんです。
男親って、基本的には両親揃っている状態での子育てにしか参加しないことが多いですからね・・・。
料理しながら、掃除しながら、常に「かまってかまって」と言われて何も手に付かない・・・みたいなことを経験しませんし。
ただまぁ、のぶみさんっていわゆる自営業だし、ワンオペ育児の大変さを知らないってわけじゃないと思うんですけどね。
それでも世の中のお母さんからしてみたら「自己犠牲をしていないお父さん」をたくさん見てきているわけで・・・だからこそ「綺麗ごと言ってんじゃねえ」って感じたのかなと。わかんないけど、
なので男女間というか、女親と男親では感じ方が違うのは仕方ないのかもしれません。
アンサーソングは美しくなかった
この歌に対して、「おまえおとうさんだろ」ってアンサーソングを作った方がいました。
これも捉え方は人それぞれなので、アンサーソングに救われた人もいるだろうし、傷ついた人もいるだろうなとは思います。
ただ、なんだろう・・・美しくはなかったかな。
歌詞は秀逸なんだろうけど、なんていうか「えっ、そこ相手にしちゃうんだ」みたいな。
「バカにされた」って思うんなら、そんな安い挑発に乗っちゃダメだと思うんですよ。
昔っからよく言う言葉で「バカって言う方がバカなんだよ」ってのがあるじゃないですか。
だからこそ、バカにされたと思うならなおさらそんなの相手にするべきじゃないんです。
ましてやアンサーソングを作って、それを周りの女性が持ち上げて「やーいやーい!」「そうだそうだ!」ってやってしまうなんてもってのほか。
相手にしてしまったせいで、自分が叩いている相手と同じかまたはそれよりもレベルが低いと公言してしまっていることに成りかねないわけです。
いじめは加害者が圧倒的に悪い
よく「いじめは受ける方にも問題がある」みたいなことを言う人がいますよね。(最近はいなくなったかな・・・?)
でも、いじめなんてものは圧倒的に加害者が悪いにきまってます。
少なくとも僕はそう思ってます。
今回の件で言えば、最初に女性をバカにしていじめたのはのぶみさんだったんでしょう。
ここで終わっていたらのぶみさんが叩かれるのは仕方ないって風潮になったかもしれない。
でも、被害者の立場の人が今度はそれを逆手にとってのぶみさんをはじめとする男性をバカにするようなことをしたら・・・今度はそれを持ち上げた人たちが加害者になるわけですよ。
おかげで「なんか、どっちもどっちだよね・・・」ってなっちゃう。
これってなんだかすごくもったいなく感じてしまいました。
おわりに
なんだかんだタラタラ書きましたが・・・やっぱり子供にとっては母親って特別です。
それはワンオペでつきっきりだから、とかではなく、父親にはないものを母親は持ってるんですよ。
僕は妻が夜に仕事をしている関係上、週に5日は息子を風呂に入れて寝かしつけています。
それでも息子はやっぱり母親とお風呂に入りたいし、母親と一緒に寝たいんです。
今日だって一緒に散歩をしていて歩きたくなさそうだったので抱っこをしてあげたら「ママだっこがいい」って言ってましたからね。
単純に僕がめちゃくちゃ臭かったのかもしれないけれど。
とにかく一緒に遊んで欲しいのも、手を煩わせたい(かまってほしい)のも、圧倒的に母親なんです。
それだけ今の息子にとってはママが特別な存在ってこと。
そりゃ思春期にもなれば「過干渉すんな」って子供から言ってくるかもしれません。
でも、「ママ、ママ」ってなってる齢の息子を見ていたら、自分を犠牲にして子供のために生きるのが悪いこととは思えないのです。
僕はそれをしている「おかあさん」は純粋に素敵だと感じるし、むしろ誇って欲しいんですね。
だからこそ、今回の件も改めて「怒るようなことじゃなくない・・・?」と思うわけです。
補足
ちなみに、僕は絵本作家ののぶみさんって、どうしても「今日から俺は!」に出てくる白原ってキャラに見えちゃって・・・そういうバイアスかかっちゃってるせいかずっと好きになれませんでした。
もともとヤンキーだっていうのも影響してるし、作品も結構「ん??」って思う部分がありましたし・・・。
この辺は好みの問題なので、のぶみさん本人や作品が好きな人を否定する気持ちは決してありません。
ただ、そんな僕でも「怒るようなことじゃなくない・・・?」と思ったってことは・・・逆に今回の件って「のぶみが嫌いだから叩いとけ」って話ではないんでしょうね。
2020/05/04