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「庵野秀明+松本人志 対談」を観た感想。天才おじいちゃん同士の異種格闘技

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      2021/10/20

画像はAmazon Prime Videoより

Amazon Primeオリジナル番組の「庵野秀明+松本人志 対談」を観ました。

いやー面白かった。
眉間にシワ寄せた天才おじいちゃん2人が無理矢理お互いの共通項を探っていく・・・という番組ではあったのですが、これがもう「いくらでも観てられる」っていう感じで。

品川さん、いい仕事したなぁ!!

できれば第二弾、第三弾と観ていきたいけれど・・・カメラがある前ではもう無理なのかな。

とにかく、それを観た感想です。ダラダラ書きます。

作品はいつ「作品」になるのか?

番組は松ちゃんと庵野監督に、共通項となりそうなお題を品川さんが(たぶんフリップで?)ふっていく、という構成でした。

その序盤で「作品に対する賛否両論について」というお題が与えられた時のこと。

庵野監督が「作品はお客さんの前に出て、初めて作品になる」というようなことを語っていたところが印象に残っています。

評価の是非はあって然るべきなのだ!

つまり、映画なら映画を、お笑いのネタならネタを・・・作っただけの時点ではいくら本人が「完成した!!」と思っていても、それはまだ「作品」にはなっていないということなんですね。

世に出て、第三者の目に触れて始めて作品になる。
ということはそれを観た人が感じることや評価の是非というのは、すべてがその作品を作品たらしめるもの・・・と考えられるのかもしれません。

えっと・・・ちょっとややこしく書いてしまったけれど、端的にいうと「賛否両論ない状態では作品とは言えない」って感じでしょうか。

どんなものを作っても身内が絶対に褒めてくれる状態とか、世の中の人から全く共感を得られない表現などはまだ作品の域に達していない・・・みたいな。

評価は観ている人の環境によっても変わる

また、庵野監督が語っていた「評価は観ている人の環境によって変わる」という考え方、これが真理なんじゃないかと思います。

子供のときに観た”つまらなかった映画”があったとして。
それを大人になって観たら「あ、こういうことだったのか・・・」というのがわかるようになって、それで評価が変わることっていうのはあるわけですよ。

でも、作品自体はその数年間で何も変化していないわけです。
変わったのは自分の中身・・・つまり経験だったり知識だったりという部分。またはその時の感情なんですよね。

まさにこの対談がその「作品」なのである

今回の対談に関しても、やっぱり観ている人の置かれている環境、その時の心情、経験値・・・などなどによって評価は分かれることになります。

「大物2人が対談をするんだから、なにかすごいことが起きるんじゃないか!?」と勝手に期待してしまった人にとってはうすら寒い内容だったかもしれない。

でも僕なんかは自分が尊敬しうる存在のおじいちゃん2人が腹の探り合いをして・・・みたいなだけでもめちゃくちゃ面白かったし、こうやって対談の中からでも得るものがあったというだけで本当に有意義な作品だったなと思うのであります。

※作品の構成的な不満とかがないわけじゃないけどもw

松ちゃんが語るエヴァンゲリオンの評価

個人的に嬉しかったのは、松ちゃんが対談中に語っていたエヴァンゲリオンに対する評価にものすごく共感できたことです。

松ちゃん曰く、「エヴァは美術館みたいなもの」ということでした。

まだ観ていない人から「どうだった?」と聞かれても「うーん。良かったよ?観てきたら??」としか言えない、と。

いやー、、、わかるわぁw

シン・エヴァンゲリオン劇場版を観た。結局ほとんど意味わからんかった(けど面白かった)

↑僕も数日前の記事で感想をあれこれ書かせてもらいましたが、結局は「よくわからんけど面白かった」みたいな感じだったんですよ。

おそらくはそれに納得できない人もいるとは思うんです。
「いや、わかるだろ!わかったうえで面白いだろ!」という人もいれば「わからなければ面白くない」という人もいるでしょう。

それを「美術館」に例えられるのが松ちゃんの才能っていうか。
ものすごくスッと腑に落ちた感じがありました。

1人でも多くの人が面白いと感じられる作品

その評価に庵野監督は「嬉しい」と答えていましたね~。

当然「わかる人にはわかる」わけで、庵野監督だってただめちゃくちゃな「意味のわからない作品」を作ったわけじゃないはずなんですよ。

ただ、番組冒頭では「考えてないとは言えないから考えているふりをすることもある」というようなことを語っており、それを額面通りに受け取るならば「特に意味はないけれど、面白いと思ってもらえる作品」を作っている可能性も否定できないわけで。

あくまでも庵野監督は受け手に評価を委ねていて、作品のどこかしら(キャラクター、ストーリー、世界観など)を「面白い」と感じる人が1人でも増えるよう手を抜かず網を張っている・・・という感じでしたね。
(僕なんかはきっとふわっとした世界観に「面白い」を感じてしまったのだろうなぁ)

ディレクターなのかプロデューサーなのか

それは今回の対談内で語られていた「ディレクターなのかプロデューサーなのか」という部分にも通ずるものがあると思います。

ディレクター(=専業監督)なら、わがまま放題・・・とは言わないだろうけど、ある程度「我が、我が」という感じで製作を進められるわけですよね。
興行としてコケたとしても、まぁ(金銭的な)ケツを持つ必要がないというか・・・。

でも、これがプロデューサー兼任という立場になってしまうと作品に関わるすべての人の命運をも背負っているような状態なわけで。
「自分にとってこの作品はどうか」というレベルから「作品にとって最良は何か?」を探るようになる・・・と。

実は一般的な工業製品やサービスであればこんなのって当然の話ではあるんですけどもね。
それをこういう映画監督、お笑い芸人という芸術家ですら意識するようなことなのかというのは興味深かったです。

おわりに

そんなわけで、面白い人にはとても面白い、そうでない人には薄ら寒い・・・まさに番組内で庵野監督が語っていた通りの作品だったかなと思います。

というか・・・異種格闘技だこれは。
最強vs最強が戦うときには、やっぱりいきなり手のひらを明かし合うことって少なくて・・・牽制しつつ、猪木vsアリ戦のように膠着することもあるでしょう。
(それが庵野監督が言う「すぐに滞ると伝えてあります」だったんだろうなぁw)

個人的にはそんな膠着状態を打ち破った、番組後半で庵野監督がウルトラマンや仮面ライダーについて語りだして止まらなくなってしまったところなんか、ものすごく印象的でした。
「ああ、ここからが試合本番??」と思ったところだったので、そのあとすぐに終わってしまったのはすごく惜しかったなぁ・・・。

※今回の番組見終わったあと、東映公式の初代仮面ライダー動画見ちゃったもの。

ただまぁ、これ、無邪気な子供の語らいではなくて、プロフェッショナル2人の対談なんですよね。

穿った見方をするならば、庵野監督はウルトラマンへの熱をこれでもかと語らないといけないフェーズにあるということを忘れてはいけないのかもしれません。

・・・いやーしかし、これはもう是非、第二弾をやってほしい。

今回は初回ということもあり、巨匠2人をぶつけるためにどうしても行き当たりばったり的な企画になってしまった感は否めないと思います。

でも、もう一回経験したわけだし、次はもっと序盤から松ちゃんにも庵野監督が引くぐらいお笑いを熱く語ってもらったり、お互いに年齢差とかフィールドの違いとかを気にせずやりあってほしいな!!

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      2021/10/20

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