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映画「HAIRSPRAY」の感想!アメリカに根付く2つの差別を笑いに変えちゃうミュージカル!

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      2020/05/12

hairspray

僕の好きな映画の1つに、HAIRSPRAYという作品があります。

もともとは1988年に公開されたミュージカル映画で、実際のミュージカル公演も行われています。
※最近日本でも渡辺直美さん主演での公演も決まりましたね!

内容は、60年代のアメリカのボルチモアという土地が舞台で、地元のテレビ番組を通じて2つの差別との戦いをコミカルに描いた作品という感じです。

差別をテーマに扱っているけれど、ミュージカルだからか全体を通して暗くないのが特徴かな。
観てて疲れない、楽しいって思えます。

僕が初めて知ったのは、2006年にラスベガスのルクソールホテルで公演していたのを広告でみたときで、その後2007年にリメイク版の映画が作られたのを知ったのはそれからだいぶ後のことでした。

僕が好きなのは、この2007年版の映画で、すでに100回ぐらいは通しで観てるんじゃないかと思いますw

魅力はたくさんあるんですが、僕は特に60年代を意識した音楽が、ハッキリと白黒の差別を象徴していたりするところなんかがたまらないです。
アメリカンゴールデンエイジが好きな人には、アメリカングラフィティに近いような感覚で観れるんじゃないかと思います。

以下、ネタバレ含む僕が思ったことを書いていきます。(チラ裏)

Hairsplay 2007の感想

本作のメインテーマは「黒人」と「おデブちゃん」。

僕はアメリカに住んだ事がないし、ボルチモアがどういう土地なのかも知らない。
だから、彼らが持つ「差別の問題」は、なんとなくしかわかりません。

当事者じゃないって、そういうことですよね。

なので、この映画を観た時に、
「黒人って、こんなに虐げられてたの!?」
と思った、ってのが正直なところです。

フィクションが過ぎる、とも思いました。

でも、僕はその闇をやっぱり知らないわけだし、実際にこうだったのかもしれないし、今でもこんな感じに根付いているのかもしれない。

本作のメインテーマがその2つの差別なんだから、作品のラストがメイベルの歌で締めくくられるというのがすごくグッと来るわけなんですね。

ただ、あくまで「差別をしている人種(一部白人)を悪者扱いする映画」に仕上がっているので、差別をしていた側からしたら面白くないと思うかもしれない・・・とも感じました。

差別はなくならない?

僕は、差別って絶対になくならないと思うんです。
なぜならこれって、人間の防衛本能みたいなものだから。

人間だって動物なので、本来は「自分と異種の動物」が来たら警戒するのが普通だと思うんですよ。
本来はその相手一人一人がどうなのか?をしっかりと見て判断しなければならないのですが、やっぱり僕らにはそこまで余裕がなかったりするわけで・・・「黒人だったら〇〇」「女性だったら〇〇」のようにくくってしまいがちなんですよね。

こういう一人一人をしっかりと見ず、その人の属性だけでその人を判断してしまうのが「差別」です。

憎むべきは誰なのか?

先日、アメリカのアップルストアで「黒人だから」という理由で追い出された学生がいました。

僕は、誤解を恐れずに言えば、追い出した店員さんの気持ちもわからんでもないと思うんです。

もしかしたら、その店員さんのまわりではすぐに万引きをする黒人がいたのかもしれない。
その背景は誰にもわからないわけです。

僕だったら、自分が店長をやっているお店に、明かに80年代のヤンキーみたいな人が入って来たら(たとえその人本人はすごく良識のある優しい人なんだったとしても)帰って欲しいって思うもの。

その人自身は何も悪い事はしないかもしれない。
でも、その人に似ている人が悪い事をしていたら、やっぱりそういう目で見てしまう。
そういう場面でいちいち「その人個人」までゆっくりと判断していられない。

そんなもんじゃないかと思うのです。

少し前にフランスで、イスラム教というだけで暴行を受けてしまった人がいたというのもそう。
被害者が恨むべきはフランス人ではなく、同じような顔だちや服装で悪さをしている人たちじゃないかと思うんです。

二つの差別を描いた作品

・・・と、話がだいぶそれました。

とにかくヘアスプレーの作品中では、大前提として「黒人は卑下される」「デブは醜い」という物があって、その上に「黒人は素晴らしい」「デブだって個性」みたいな解釈になってるわけなんです。

こういうのって本当に単なる価値観の違いでしかなく、優劣があるものではありません。
現に黒人の社会の中ではメイベルのようなふくよかな女性こそが美しいとされるわけですよね。

だからそれをあえて「黒人を卑下している」ベルマという存在を作ることによって正当化している感じは、なんとなく違うというか・・・まぁ「映画」なんだなと思いました。

とはいえ!

そういう事すらも楽しく感じさせるぐらいコミカルに描かれているのが本当に見事だと思います。

随所に表現される黒×白

この作品の魅力の一つとして音楽があげられるわけなんですが、劇中歌の「The new girl in town」という曲においては音楽による黒と白の違いというのがうまく描かれていました。

この曲は同じメロディ、同じ音階・リズムで「白人バージョン」と「黒人バージョン」があり、週に1度のニグロデーには黒人バージョンが歌われます。

白人バージョンは、極端に軽く、ポップに仕上げられているのに対し、黒人バージョンは見事に裏拍を取ったブラックミュージックに仕上げられているんですね。

これはもう「どっちがカッコいい」なんて言えなくて、どっちも違うし、どっちもいい。みたいな感じ。

そんな感じの「黒×白」が随所に現れていて、そんなのを観ていくのも面白いなと思いました。

ラストの辺りで、シーウィードに握手を求めるコーニーが、シーウィードが出した手の向きを見て”黒人流のあいさつ”に合わせるところとかも大好きです。

でも、ミスヘアスプレーに輝いたのが、トレーシーさしおいてアイネスだったのは「なんで急に!?」って思っちゃったけどw

おわりに

なんでこんな感想文をいまさら書こうと思ったかというと、先日ふと家で映画を流していたからで。

あれ、一回流しちゃうとダメですね。
BGMになるかーと思いきや、好きなシーンは観ちゃうわけで・・・結局2~3周はリピしちゃったっていう。

ちなみに一番好きなのは、劇中歌「I can hear the bells」の最後らへん、

トレーシーがリンクを想って歌った詩の中にある、

死んで天国に行ったら この世を見下ろそう

恋に落ちたあの夜を思い出して

そして2人で涙を流そう

ってフレーズがもう今文字を打ってても涙が出てくるぐらいです。

と、そんな感じのチラ裏な記事を書かせて頂きました。

ちょいちょいいろんな動画サービスで無料で観られたりするので、とにかくミュージカルが嫌いなタモさんにも是非観て欲しい作品です。
※いつかは88年版も観てみたい。

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[参考]Amazon Primeってお得なの?

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      2020/05/12

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