ビートたけしが橋爪功の件でいう「もう大人なんだから」がズレているというお話

先日、俳優の橋爪功さんの息子さんが覚せい剤だか麻薬だかの所持で捕まりました。（うろ覚え）

それに対し、ビートたけしさんが「もう30歳のいい大人なんだから、子供がしたことに対して親（橋爪さん）にしわよせがいくのはおかしい」みたいなことを言ってたのをネット記事で読みました。
[参考]ビートたけし　有名俳優の息子逮捕に「もう３０なんだから　大人なんだから　親父に責任ないよ」

でも、僕はこの記事を読んだときに違和感を覚えてしまったのです。
「もう30歳の大人なんだから」という部分に。

30歳が「大人」かどうかはわからない

30歳と言えば、世間一般でいえば「大人」です。
もう、善し悪しの分別はついてもおかしくない年齢ですし、なんだったら世間体とかもしっかり考えられて、自分の行動を制御することができる年齢・・・のはずです。

でもそれはあくまで一般論にすぎません。
というか、30歳を「大人」と言えるのは、自身がそれなりの教育を受けてきた人とか、要するに自分が30歳前後で大人になれた人だからこそたどり着く考え方なんですね。

はっきりいって、大人かどうかは年齢では決まらないですよ。
日本の憲法でいえば、20歳はもう大人です。

でも、20歳で大人なヤツなんて、少なくとも僕のまわりではいませんでした。

逆に言えば、30歳になったってクスリやって捕まってるようなヤツなんてまだまだガキじゃないですか。
何をもって「大人」と言ったのか・・・？僕はなかなか不思議に思ったわけです。

子供が子供のまま大きくなっちゃっても親に責任はないのか？

結局のところ、橋爪さんところの息子さんは、30歳という年齢の子供だっただけだと思うんですが、果たして子供が大きく育つ過程で「大人になる」のか「子供のまま」なのかといった点は親と無関係と言ってもいいのでしょうか？

もちろん、親は親、子は子だから、どう教育しようとも道を踏み外す人間がいるのが現実だと思います。
僕だって息子が大きくなった時に殺人鬼にならない保証なんてどこにもないと思ってますし。

でも、少なからず子供の考え方などの根底には親の影響というものがあるじゃないですか。
僕だって自分と親は別の生き物だと思ってますし、考え方が違う部分は認めているものの、根底にある正義感とかモラルといった部分は親から受け継いだと思っています。

たとえば「電車の座席に土足で乗ってはいけない」というようなことって、親が注意しなかったら子供はわからないわけですよね。

そういう細かい教育的な積み重ねが子供の人格を作るのに全く影響していないなんて考えられません。
「子供は勝手に育つ」なんてウソです。勝手に育つのは体だけ。

そう思うと、息子さんがやらかして捕まるというようなことがあったときに、親に飛び火するのをおかしいとする感覚こそがおかしいと思ってしまうのです。

「親に責任はない」と言っていいのは当人だけ

もし「親に責任はない」ということを言える人がいるのなら、それは罪を犯した当人だけだと思います。
当人がそう言えるということは、「大人だから、自分の罪は自分の責任」と認めているわけですよ。

責任というのは例えば、自分がやらかしたことのせいで親の仕事がポシャッて、そこから発生する多額の負債を自分で背負うつもりがあるとか、そういうことです。

それが認められないのなら、やっぱり30歳だったとしても大人ではないですし、ましてや周りが「あいつは大人なんだから」というのはおかしいのではないでしょうか。
そして、自分の息子を大人に育ててやれなかった親を「親に責任はない」と周りがフォローするのもおかしいです。

おわりに

まぁ、そうはいっても本当に教育なんて正解がないのでわからないですけどね。
子供だって一人ひとり違うわけだし、親だって人生は一度きりだし、どう育てたらどう育つか、なんてのは育ってからじゃないとわからない。

自分の息子を見ていてもそう思います。
彼には彼なりの考えがあるんだろうし、親が思った通りになんて育ってくれないし。

だから橋爪さんが子育てをしっかりしていたのにこうなってしまった・・・というのであれば、それはもう本当に「運が悪かった」としか言えないですよね。
いくらビートたけしさんが「親に責任ないよ」なんて言ったって、世間が許さなければスポンサーは橋爪さんを降板させざるを得ないだろうし・・・。

親としては、息子に対して「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい・・・でも犯罪は勘弁してね」と願わざるを得ません。