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アイアムアヒーロー映画版を観た人に原作をオススメしたい3つの理由

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今更ですが、2016年の映画「アイアムアヒーロー」を観ました!!

普段その手の映画は怖くて観れない僕ですが、ゾンビものパニックホラー映画としてなかなか楽しめました。

・・・が!

これ、原作ありきの作品なんですよね。
ちょうど今、原作の方を読んでまして・・・ようやく映画のところまで追いついたので、ちょっと感想を書きたいなと。

「映画版はダメ」だとか「原作には及ばない」だとか、そういうことを言うつもりはないんですが、やっぱり映画版は映画版で原作とは全然違うというか。
(本当に、設定だけもらってきた別物・・・って感じなんですよ!)

こりゃ原作も読んでもらわないと!!と思いました。
なので、映画版を観た方に「これだけは知っておいてほしい」、原作版のオススメポイント3点を挙げさせて頂きます!!

てっこが女神

まず、映画版を観た原作ファンが一番憤慨したであろうポイントなのですがw
英雄くんの彼女である「てっこ」が、映画と原作では全くの別人に描かれています。

映画版ではうだつの上がらない英雄くんに嫌気が差し(愛情の裏返しだと思うけども!)、半ば強引に同棲していたアパートから英雄くんを追い出してしまったてっこ。

まぁ、35歳になって、自分の彼氏がまだ定職につけてないと思ったら・・・焦りますよね。
※でもあれ、あんなパニックになってなかったら結局元サヤに戻ってた可能性もありますけども。

これがねえ・・・原作だと、女神なのです。。。

原作のてっこ

原作では、てっこはもともと英雄くんのファンだった女性として描かれていました。

酔うと手がつけられないほどの酒乱なんだけど、シラフの時には本当に英雄くんのことを大切に考えてくれる彼女さんなんですよ。

特に印象的なのは、元彼である中田コロリ先生との浮気を疑われたあとの本棚の描写。
ちゃんと男性の自尊心を理解しつつ、包み込んでくれるような優しさがありました。
(もしかしたら自分の身の危険を感じたがゆえの身辺整理だったのかもしれませんが)

そういう経緯があったからこそ、てっこがZQN化してしまうのがとても辛かったのです。読者も、英雄くんも。

英雄くんはダメ人間じゃない

次に、映画では結構「ダメなやつ」みたいな描かれ方をしていた英雄くん。

大泉洋さんの英雄くん像はかなりリアルというか、原作を踏襲している感はありました。
あー、実際に英雄くんがいたらこんな感じかぁ〜!っていう。

そもそも原作が「元ネタあり」な人物描写をしていたりするので、たとえばコロリ先生の片桐さんとかもハマり役だったのかなーと。

人間臭いヤツなんよ・・・

ただ、映画版で「ダメ人間でごめんなさい」みたいなシーンがあったと記憶してるんですが、英雄くんってそんなダメ人間じゃないと思うんですよね。

どっちかっていうと、どこか抜けてるけど生真面目で優しいヤツっていうか。
まぁ・・・「まんまんの歌」とか作ってる時点でアウトではあるんですけども、そういうのも含めてすごく人間臭いんですよ!

特に印象的なのは、てっことコロリ先生に優しくされた後の公園で

二人とも やさしいなぁ
やさしくないのは 俺だけだ・・・・・・

と落ち込むシーン。

他人の優しさに気付けるのは、自分も優しい証拠なんよ。。。

※原作はコロリ先生も英雄くんの才を買ってるんですよね。

丁寧過ぎる描写

そしてそして・・・一番オススメしたいポイントがここ。

映画版はもう「パニックホラー」っていうところに重きを置いているので、すぐにZQNが出てきちゃいます。
で、あとはそれとどう戦うか?
派手に頭を吹き飛ばしたり、車に跳ねさせたり・・・っていうインパクト重視って感じなんですよ。

それはそれで、作品を2時間程度に収めなければならないと考えたら仕方ないのだと思います。

ですが、これこそが「アイアムアヒーローという設定を借りた別作品」になりえる理由なのかなと。

ジワジワくる恐怖

原作の場合・・・最初の異変である「てっこのZQN化」が判明するのが・・・なんと「1巻の最後」なんですよ。

それまではたっぷりじっくり「日常に潜む違和感」のようなものを、鈴木英雄という人物の描写を交えて描いてるだけなんですよね。

これ、花沢健吾先生の得意技なのか、後の作品である「アンダーニンジャ」も同様で。
本編始まるまでにすっごい時間かけて、はじまったらグッと引き込まれる・・・みたいな。

第一話の英雄くんが帰宅時にダンスしながら部屋に入ってくる・・・というのに2ページも割いてるとか。
「後に面白くなる」ってことがわかってないと、脱落する人が続出しそうな感じw

ただこの作者先生、アイアムアヒーローを書くために、死者の匂いを嗅ぎに人が亡くなった部屋を取材に行ったりしていたそうで、そういう作品へのこだわりがしっかりと現れているのかなーと。(そう言われたら読んでて死者の匂いがしてきそうだものね、、、)

まぁ、そういうわけで、映画の恐怖感とはまた違う、原作の「ジワジワとくる恐怖の描かれ方」も秀逸だなと思うのです。

おわりに

く〜っ!
他にもいっぱいある〜!!

とにかくね・・・原作の方はすごく「リアル」なんですよ。

漫画がボツになるあたりの話もすごくリアリティがあるし。
あとあれだ・・・ZQNが大量発生したあとの政府の対応とかもね。今見ると「えっ、新型コロナウイルスのパンデミックじゃん」って思えるぐらいリアルなの。

2009年とかの作品なのに、「濃厚接触を避けて」とか「咳エチケットを守りましょう」とかやってんですよ。
デマの広がり方とかもね〜・・・コロナ初期にもウンコみたいなデマありましたもんね。

さすがに「転売騒ぎ」については書かれてなかったけど、あ・・・マスクを路上販売してるオッサンの描写があったな、、、あれも広義には転売だもんなぁ・・・。

とまぁ、本当に細かく、丁寧に人間描写されているというところが魅力かなと。

まぁほんと今更ですけど、アイアムアヒーローの原作・・・おもろいです。

   

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