好きなことを仕事にしてはいけない理由。

よく「好きなことを仕事にしてはいけない」と言いますよね。

これについて、「好きなだけじゃ食べていけない」みたいな話をする人がいますが、僕は半分正解で半分間違いだと思っています。
「好きなだけで食べていけるかどうか」と、それとはまた違った理由での「好きなことを仕事にしてはいけない」があるよなと。

僕は過去に「好きなことを仕事にして、好きじゃなくなりかけて辞めてしまった」という経験から、 なんで「好きなことを仕事にしてはいけない」のかについて解説致します！！

好きなことを仕事にしてはいけない理由

端的に言うと、趣味の「好き」とそれを仕事にした時の「好き」というのはベクトルが違うんです。

例として挙げますが、僕の弟って漫画が好きなんですよ。
それを公言していたところ、以前働いていた会社の社長に「あの漫画は読んだ？じゃあ、あれは？？」というように質問されたそうです。

で、まぁ・・・漫画なんて全部を読むことは不可能じゃないですかｗ
たしかその社長さんが言ってたのってガロ系の漫画とか、そういうのだったと思うんですけども・・・弟は読んでなかったんですね。

それを聞いた社長さん、「君、それでは『漫画が好き』とは言えないよ」と言ってきたのだそうな。

僕はその話を聞いた時、「人の『好き』って気持ちを否定すんなや！」と憤りましたが・・・それはあくまで弟の「漫画好き」が「趣味」だったからです。

でも、もしそれが仕事だったとしたら？
漫画業界で働いている人が、あれもこれも「その漫画は読んでないです～」とか言ってたら・・・どうでしょうか？？

マツコの知らない世界

テレビ番組「マツコの知らない世界」では様々なマニアの方が出演されます。

あれ・・・何がすごいって、「好き」に対して変態的な領域の人ばかりが出てくるでしょう？
もはや「好きを通り越して愛してしまっている」というような。

あくまで僕の感覚ですが・・・「好きを仕事にする」のであれば、あの域までは達してほしいなと思うのです。

というのも、自分が客として商品に触れる際、店員さん（または開発者）が自分よりもその商品についての愛がなかったら・・・どうですか？？
信憑性がないというか、なんかちょっと失礼な気さえしません？？

僕の場合、パソコンとかスマホを買いに行った時に、販売員の方が全然テキトウなことを言ってるシーンなんかがあって、やっぱガッカリしたんですよね。
なので、「好き」なのであれ変態的に突き詰められるぐらいになって初めて仕事なんじゃないかなー？？と。

・・・ここまでは客側から見た話。

好きなものが「嫌い」になっちゃう

本題はここからで・・・。
好きなものを仕事にした場合、前述のとおりお客さんの方が「好き」が勝っていた場合にはその仕事が評価されない可能性があります。

さらにいうと、生半可な「好き」だと・・・打ちのめされてしまうんですよね、、、

僕の体験談なんですけど・・・僕は「食事」が好きなんですよ。
親しい人と美味しい料理を囲んで、楽しい時間が過ごせるステキな行為だと思ってて。

だから飲食店を経営したかったんです。
美味しい料理と素敵な空間を提供したかった。

でも・・・実際にやってみると「食事」という行為を低く見積もった人というのがあまりに多いことに気づかされました。

これがめちゃくちゃ辛かったんです。
僕の好きな「食事」に敬意を払えない人を見ていると、なんだか僕の「好きという気持ち」すら否定されたような感覚になったんですよ。

たとえばあなたが今思う「好き」なものを仕事にしたとして。
あなたとは違った感覚でそれを「好き」な人が来店した時に・・・心から喜べますでしょうか？ｗ

ちょっとわかりづらいかもなので例を出すと・・・たとえばスニーカー。
スニーカーのカッコ良さ、可愛さなどに惚れて、それに触れられる仕事がしたい！と思ったところに「転売の価値がある」という理由で近づいてくるお客さんばかりだったら？

僕はそのような状態が続いてしまった結果、好きだった「食事」が嫌いになってしまいそうで・・・そうなる前に辞めようと思ったのでした。

おわりに

さらにいうと、僕らが「好き」って思っているものは、その表面しか見ていないということもありますよね。
たとえば「犬が好き」って言っても、ペットショップとかだと「経営」を考えなければならないじゃないですか。

売れ残る動物、返品される動物・・・自分が何をした対価としてお金を貰うのか？をしっかり理解しなければなりません。
そういう暗部を見ることになるのも「好きを仕事にする」の弊害かもしれませんよね。

まとめると・・・「仕事」として考えるなら生半可な「好き」でいると、「嫌い」になる可能性があるぞ！！ってところかなー。