「全レパートリーを演る」の”GIGS” CASE OF BOØWYで演奏されなかった曲について
2020/05/04
BOØWYの35周年を記念して、2017年の8月7日に何かあるぞ!という告知がなされ、「まさか再結成!?」みたいな噂が飛び交っていましたが、ふたを開けてみたら「CASE OF BOØWYの全曲盤やで!」というオチにガッカリしたファンも多いと思います。
いや、ファンほど驚かないですよね。
「再結成?ないないw」って思ってましたよね。
少なくとも僕は思ってましたよ!
そもそもヒムロックがずっとずっと「再結成なんてだせー真似しない」って言ってたわけだし、もう本人が耳聴こえなくなっちゃって引退してるんだから、ありえないです。
・・・。
・・・それでも期待しちゃうのがファンやろがい!!!!
ファンの期待を「CASE OF BOØWY」という形で裏切るのが、それがお前らのやり方か!と。
ヒムロックやHOTEIがそれを望んでたんか!と問いたい。
でもまぁ、いままでベールに隠されていた部分が公式音源として表に出るというのは、やっぱりうれしいことです。
さて、そんなCASE OF BOØWYですが、いままで合計6回にわたってメディア化されているそうです。
CASE OF BOØWYとはなんぞや?という点から、収録曲についてまとめました。
“GIGS” CASE OF BOØWYとは
“GIGS” CASE OF BOØWYは「BOØWYのレパートリー全てを演奏する」というコンセプトで行われたライブです。
1987年の7月31日と8月7日に約4時間ずつのライブが行われました。
1987年の7月と言えばBOØWYの代表曲ともいえるシングル「Marionette」が発売され、ヒットチャートで初登場1位を獲得するなど乗りに乗っていた時と言えますね。
こうした人気絶頂のこの年の12月24日にBOØWYは解散を宣言しています。
ほぼ解散直前だったBOØWYが「レパートリー全てを演奏する」となった時に、そもそも4時間で足りるのか?ってのは誰もが疑問だと思うんです。
BOØWYは全部で6枚のスタジオアルバムがありますが、6枚目のアルバムが発売されたのはCASE OF BOØWYの後なので、実質アルバム5枚分の楽曲と考えると・・・少なくとも5時間はかかりそうなものです。
結局、全曲は演奏されなかったんですね。
BOØWYの楽曲、当時までのアルバムベースで考えた時の57曲(5thアルバム 「BEAT EMOTION」まで)のうち、39曲だけだったんです。(2日間とも同じセットリスト)
実際には6thアルバム「PSYCHOPATH」の曲や未発表曲も演奏してるので、もっと除外されてます。
発売されたメディアにおける収録曲の違い
じゃあいったい除外された曲はなんだったんだろう?と気になったので、調べ始めたわけですが、そもそも5回のリリースにおいて収録内容が3パターンあったので、先にそれをまとめておきます。
リリースされたのは1987年のビデオテープ、2001年のCD、2007年のCDとDVD、2012年のBlu-Spec CD、そして今年のCDです。
1987年のものはたしか4本組ぐらいのビデオテープで、収録曲は厳選された27曲というもの。
しかも収録順もライブの通りではなく、LAST GIGS同様にDREAMIN’が最後の曲とされていました。
余談ですが、僕はこのビデオでのJUSTYのギターソロが大好きで、手元をみながら何度も巻き戻して練習したものです。
2001年にはビデオテープに収められた曲目のCDが発売されます。
解散から20周年となる2007年には”GIGS” CASE OF BOØWY COMPLETEというタイトルで、全39曲収録のCDが発売されました。
ただし実際には神戸と横浜の2日分の39曲を1日分にまとめたもので、真の意味のCOMPLETEとは言えないものでした。
結成30周年の2012年には同名アルバムがBlu-Specバージョンでリリース。
正直どうでもいいと思ったファンも少なくないでしょう。
そして今年2017年。
結成35周年であり、解散から30周年となる年に大々的に広告を打ってまで発売されるのが、”GIGS” CASE OF BOØWY at KOBEと”GIGS” CASE OF BOØWY at Yokohamaという、2日分の39曲ずつが収録されたCDと、その2つがセットになった”GIGS” CASE OF BOØWY -THE ORIGINAL-というボックスなんです。
簡単に表にすると、収録曲は以下のような感じ。
曲目 | 1987/2001 | 2007/2012 | 2017 |
---|---|---|---|
01. INTRODUCTION | 〇(01) | 〇 | 〇 |
02. IMAGE DOWN | 〇 | 〇 | |
03. BABY ACTION | 〇(02) | 〇 | 〇 |
04. RATS | 〇 | 〇 | |
05. MORAL | 〇(03) | 〇 | 〇 |
06. GIVE IT TO ME | 〇 | 〇 | |
07. “16” | 〇 | 〇 | |
08. THIS MOMENT | 〇(06) | 〇 | 〇 |
09. わがままジュリエット | 〇(07) | 〇 | 〇 |
10. BAD FEELING | 〇(04) | 〇 | 〇 |
11. LIKE A CHILD | 〇(05) | 〇 | 〇 |
12. OH! MY JULLY PartI | 〇 | 〇 | |
13. WORKING MAN | 〇(21) | 〇 | 〇 |
14. B・BLUE | 〇(22) | 〇 | 〇 |
15. TEENAGE EMOTION | 〇 | 〇 | |
16. LONDON GAME | 〇(10) | 〇 | 〇 |
17. NO.NEW YORK | 〇(12) | 〇 | 〇 |
18. DANCING IN THE PLEASURE LAND | 〇(15) | 〇 | 〇 |
19. ROUGE OF GRAY | 〇 | 〇 | |
20. RUNAWAY TRAIN | 〇 | 〇 | |
21. B・E・L・I・E・V・E | 〇(19) | 〇 | 〇 |
22. CLOUDY HEART | 〇(20) | 〇 | 〇 |
23. INSTANT LOVE | 〇(11) | 〇 | 〇 |
24. FUNNY-BOY | 〇(16) | 〇 | 〇 |
25. MY HONEY | 〇 | 〇 | |
26. LET’S THINK | 〇 | 〇 | |
27. 1994 -LABEL OF COMPLEX- | 〇(08) | 〇 | 〇 |
28. PLASTIC BOMB | 〇(17) | 〇 | 〇 |
29. MARIONETTE | 〇(18) | 〇 | 〇 |
30. RENDEZ-VOUS | 〇 | 〇 | |
31. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS | 〇(23) | 〇 | 〇 |
32. ハイウェイに乗る前に | 〇 | 〇 | |
33. JUSTY | 〇(24) | 〇 | 〇 |
34. ホンキー・トンキー・クレイジー | 〇(13) | 〇 | 〇 |
35. DREAMIN’ | 〇(27) | 〇 | 〇 |
36. BEAT SWEET | 〇(26) | 〇 | 〇 |
37. BLUE VACATION | 〇(09) | 〇 | 〇 |
38. ONLY YOU | 〇(25) | 〇 | 〇 |
39. ON MY BEAT | 〇(14) | 〇 | 〇 |
1987年当時に発売されたものと、その音源化作品(2001年のもの)は、1stアルバム、2ndアルバムの曲がかなり削られた感じですね。
当時は未発表だったはずのLET’S THINKが入らなかったのは仕方ないとしても、定番曲のIMAGE DOWNやハイウェイに乗る前にが削られたのは解せません。
CASE OF BOØWYで演奏されなかった曲
では残りの曲・・・”GIGS” CASE OF BOØWYで演奏されなかった当時のレパートリー曲はなんだったのか・・・アルバムごとにまとめました。
MORAL
- SCHOOL OUT
- ÉLITE
- MASS AGE
- WATCH YOUR BOY
- GUERRILLA
- ENDRESS
パンクなイメージが強かったころのアルバムなので、後期のBOØWYの楽曲とは印象が違うためか、結構な曲が外されてますね。
とはいえ、ON MY BEATをやってるぐらいなんだから、GUERRILLAとかやってもよさそうなんですけどね。
MASS AGEなんかは普通に後半のライブでもやってなかったっけ・・・気のせいかな。
INSTANT LOVE
- OH! MY JULLY Part II
- SYMPHONIC
もともと収録曲が少ないアルバムなので、外されたのも2曲だけ。
OH! MY JULLY Part IIはライブ向きじゃない感じがするのでいいとして、SYMPHONIC・・・
BOØWY
- 黒のラプソディー
- 唇にジェラシー
- CHU-RU-RU
- DANCE CRAZE
僕が一番好きなのがこの3rdアルバムなんですが、本当に大好きな曲が外された感じです。
ライブ映えもしそうな曲ばかりなのになぁ・・・。
黒のラプソディーは単純にカッコいいし、唇にジェラシーなんか今聴いても口の中が酸っぱくなるような、渋い曲なんですよ。
僕は唇にジェラシーを聴くとなぜか「きまぐれオレンジロード」の鮎川を思い出すんですよ!なんでだろう。
ちょうどBOØWYにハマってた時期に読んでたからかな・・・w
DANCE CRAZEはHOTEIの後のソロワーク「GUITARHYTHM」に通ずるような楽曲で、個人的にはこれのライブ盤も観てみたかったですね。
JUST A HERO
- JUST A HERO
- ミス・ミステリー・レディ
- WELCOME TO THE TWILIGHT
4thアルバムJUST A HEROからは、アルバムタイトルでもある曲が省かれるというw
これ、3曲ともライブで映えそうなのに、なぜ外されてしまったんでしょうね~・・・。
BEAT EMOTION
- NOISE LIMITTER
- DON’T ASK ME
- DOWN TOWN SHUFFLE
- RAIN IN MY HEART
- DRAMATIC?DRASTIC!
- OUR REVOLUTION
- SENSITIVE LOVE
なんと5thアルバムからは14曲中半分の7曲もが除外されていました。マジか。
中でもDRAMATIC?DRASTIC!なんてLAST GIGS(CD)の12曲の中にすら入っていたのにこのライブでは演奏されなかったとは意外です。
PSYCHOPATH
- LIAR GIRL
- ANGEL PASSED CHILDREN
- LONGER THAN FOREVER
- GIGOLO & GIGOLET
- PSYCHOPATH
- CELLULOID DOLL
- FANTASTIC STORY
- MEMORY
- 季節が君だけを変える
6枚目のアルバムはライブ後の発売だったので、楽曲としては完成していたものの「まだここで出すわけにはいかねえ・・・」的な存在だったんでしょうね。
12曲中3曲のみ演奏されてます。
ていうか、先行シングルだったMarionetteはさておき、RENDEZ-VOUSとPLASTIC BOMBは当日ライブ会場で聴けた人たち、うれしかっただろうなぁ・・・。
ほか
- OUT
- DAKARA
- OUR LANGUAGE
- BEGINNING FROM ENDRESS
- THE WILD ONE
- たった一度のLOVE SONG
そのほかにも後に音源化されたもので、この時の「レパートリー」といっても良かったものにはこれだけの曲もありました。
音源化されない曲でいえばかの有名なMIDNIGHT RUNNERSなどの未発表曲(これは発表されたんだっけ・・・?)なんかも、ライブでのみ演奏される”レパートリー曲”と言えなくもないわけですし、どう考えても「レパートリー全曲」というのはハードル上げすぎだったんじゃないかと思われますねw
おわりに
というわけで、CASE OF BOØWYで演奏されなかった曲についてでした。
結成35周年記念として発売される”GIGS” CASE OF BOØWYによって、僕の長年の謎であったCASE OF BOØWYの全容について調べる機会ができ、本当に良かったと思います。
それにしても、結成10周年とか解散10周年とかではあまり動かなかったのに、「35周年」なんていう微妙なアニバーサリーまで利用しようとは・・・それほどまでに音楽業界が落ち目であることを意味しているのか、それともBOØWYが解散から30年以上もの月日が経っても、未だ伝説としてその人気は衰えないことが理由なのか。
ちなみにマイベs
・・・40周年の折にはまた何か期待したいところですね!
2020/05/04