アフィリサイトがランキング形式である理由と「選択のパラドックス」を中華料理屋で体験
2018/02/05
選択のパラドックス、という言葉をご存知でしょうか。
「人は選択肢が増えるほど、幸福度が下がる」
という、一見矛盾してそうな説です。
※選択のパラドックスについてはこちらの本を読んでおけばおkおk。
要は「どれでも好きなモノを選べるよ」っていう状況よりも、
「この中から選んでね」って制限された方が人は幸福を感じやすいということ。
もしかしたらiPhoneユーザーの方が泥ユーザーよりも幸せそうなのは、そういうところなのかもしれません。
今回僕は近所にある中華料理「大福元」でそれを感じました。
大福元で感じた選択のパラドックス
大福元は、僕が住む千葉県北西部から埼玉県の三郷らへんまではよく見かける中華料理のお店です。
チェーン店なのか、それともみんななぜか同じ名前をつけちゃったのかはわかりません。
もしかしたら全国展開なのかも。
今回、母のたっての希望で、
「大人数で大福元に行きたい」ということだったので、大人4人+子供1人で行くことになりました。
普段は母と弟の2人なので、そもそも量が多い中華だとあれこれオーダーできなくて寂しかったんだそうです。
なので、大人が4人になっただけでも、普段の倍。大人数と言えるわけです。
何をオーダーしたらいいのかわからない
さて、前情報も何もないまま大福元に入った僕ら。
メニューを広げると、あるわあるわ。
だいたい1ページに10~15ぐらいの料理が8ページぐらいに渡ってあったんじゃないかな。
「わぁっ、こんなにたくさんメニューがあるんだ!うれしいなー!」
・・・とは、ならなかったんですね。
正直、「えっ、、、どれをオーダーしたらいいの・・・?」ってなっちゃった。
特に日本人はこういうのに慣れていませんから、
たいていお店の中に掲げてある「人気No.1」とか「オススメ!」って書いてあるものから想像を膨らませていくんですよね。
それか、本当に自分が好きな物をオーダーするか。
大福元には店内のオススメもなければ、メニューも淡々と料理の名前が並んでるだけでした。
結局、めちゃくちゃ悩んだ挙句、数点の料理をオーダーすることに。
悲劇はチャーハンに起きた。
数点オーダーした料理の中に、次の2点がありました。
- 豚肉とレタスのチャーハン
- 牛カルビとレタスのチャーハン
いま、冷静になって考えればわかることなんですが、この2品がテーブルに配膳された時に愕然とします。
「おっ・・・おんなじ料理じゃねえか・・・!」
そう、この2品は豚と牛が違っただけで、見た目も味もそっくりな2品だったんです。
※さすがに豚と牛カルビそのものは、脂の乗り具合も味わいも違いましたが。
しかも量がすごく多い中華料理です。
幸い、テイクアウトが出来たので翌朝のご飯となって事なきを得ましたが・・・、
「騙された・・・」とは言わないまでも、オーダー時に「ほとんど同じアルよ!」って言ってくれてれば防げたのに・・・!と、店員さんのせいにしてしまうところでした。
僕らは飲食店に誘導されている
で、じつは僕も飲食店を経営していた経験があるので知っているんですが、流行っている飲食店ほど、「オススメ」ってのを上手に使っています。
「オススメ」は決して「絶対に美味しい」とか「絶対に得するよ!」っていうアイテムではありません。
たとえば「すぐに出るよ」とか「ここに来たらこれ食べないと嘘でしょ!」っていうものについてたりするんです。
まぁ、だから結果的に美味しいものにはなるんだけど。
初めて行った飲食店でオーダーした料理がハズレだった場合、僕らは二度と行きません。
でも、初めて行った飲食店でオーダーした料理がアタリだった場合には、僕らは二度目に行ってハズレを引いてもまた行くんです。
だからこそお店は二度目に繋がりそうなメニューを「オススメ」しているわけです。
そして僕らはまんまとそれをオーダーして、二度目につながっているというわけ。
これがもし、お店がオススメをやらずにお客さんに自由に選ばせていたらどうなるか?
答えは「ハズレ」を引く可能性が高くなるわけです。
ハズレを引きたくないから、ランキングが頼りになる
お寿司とかうな重とかで「松竹梅」ってシステムがあるのをご存知でしょうか。
もしくは居酒屋でのコースに2,000円、3,000円、4,000円ってあるやつ。
これ、多くの人は竹、または3,000円のコースを選ぶんだそうです。
おそらく心理的に、
「せっかくオーダーするのに、一番安いヤツにしてハズレだったら寂しいよね」
っていうものと、
「一番高いのオーダーして期待はずれだったら、それこそ寂しいよね」
みたいなものが働いているんじゃないのかな。
とりあえず真ん中取っておけばハズレないっしょ、みたいな。
僕らは心のどこかで「アタリを引きたい」という想いより「ハズレを引きたくない」という想いの方が強くなっています。
たとえば1回1万円のクジが2種類あったとして、
1つは、1%の確率で100万円になるけれど、99%ハズレ。
もう1つは99%の確率で1万1,000円になるけれど1%の確率でハズレだったら、どちらを引くか?という話。
ちょっと違うか。
でも、ハズレを引きたくないからこそ、ランキングにしてもらって、
その中から良さそうなものを選ぶことで、なんとなく「ハズレないっしょ」ってのを得たいのではないでしょうか。
そうすることによって、ハズレても人のせいにできるしね。
おわりに
というわけで、中華料理屋さんでオススメメニューを書いてくれさえしたら、
それをオーダーしてしくじってもその人達のせいにできたんだけど、自分で選んだからこそ同じチャーハンが来てしまっても自分を恨むしかない・・・というお話でした。
うん、よくまとまらなかった。
でも、ランキングは大切だよ、っていう。
2018/02/05