「ぐりとぐら」を読んだ感想。めちゃくちゃエモでした。
幼いころ、ろくすっぽ絵本なんて読まなかった息子が、最近学校の図書館でよく絵本を読んでいるのだという。
そこで気に入った作品のうちの一つに、かの有名な「ぐりとぐら」がありました。
それで先日、地元の図書館に行った時に何冊か借りてきたのが上の写真です。
何を隠そうこのワタクシ・・・42年生きてきて「ぐりとぐら」を読んだことがなかったので、チャンスとばかりに読ませて頂きました!
・・・ひとことでいうと「エモ」です。
そんな雑な感想で申し訳ないですが、すごくグッと来るところがありました。
なんていうか・・・絵と文字のバランスとか、表現方法とか・・・これは名作として語り継がれるわけだわ!!
そんな「ぐりとぐら」を読んだ感想です。
読んだことのない人のために
僕はたまたま42年間この作品に触れずに生きてきましたが、ということは他にも当然同じ環境の人がいると思いますので・・・どういう作品なのかをちょろっと触れさせて頂きます。
※誤解のないように言っておくと、「ぐりとぐら」という存在自体は知っていたのです。・・・が、読むタイミングがなかった、という感じ。
ぐりとぐらは2匹のねずみ「ぐり」と「ぐら」のお話です。
2000年代以降にも続いているシリーズの第一作目がこの絵本なんですね。
ねずみのぐりとぐらが森を歩いていて、大きなたまごに出会って・・・という内容なのですが、そこらへんはまぁ実際に絵本で読んでみてください。
ちなみに作者の「なかがわりえこ」さんと「おおむらゆりこ」さんは実際の姉妹で、ぐりぐらシリーズのほかにも作品を手掛けているそうです。
僕がグッと来たところ・・・!
さて・・・作品を読んでいて、僕がグッと来たところはこちら。
「かすてらを つくっているんでしょう! とっても いい においがするもの」
と、もりじゅうの どうぶつが、はなを うごかしながら、あつまってきました。
[引用]福音館書店「ぐりとぐら」
ネタバレになってしまいますが、ぐりとぐらは大きな卵をつかって「カステラ」を作るんですね。森の中で。
それはそれはいい香りがしたことでしょう。
その匂いにつられて森中の動物が集まってきてしまうわけです。
その表現よ・・・!
「かすてらを つくっているんでしょう! とっても いい においがするもの」
この一文は子供に読んで聞かせたい美しさじゃないですか。
絵本たるもの、こうあるべきと思わせられました。
で、その次の
「どうぶつが、はなを うごかしながら、」のところ・・・エモです。
甘いカステラの香りにつられて出てきてしまった様がよく伝わってきます。たまらん。
こういうところがぐりとぐらの良いところなのかなぁ!と感じたのであります。
とにかく読んでいてたのしい
それから、普段大人向けの漫画を読んでいると、やれ伏線やら、オチやらが気になって仕方ないわけですよ。
ヤマがない、意味がない、オチがないでは・・・作品として弱いわけですからね。
でも絵本の場合、そうでなくともいいんだなと思わせられました。
とにかく「ぐりとぐら」はただただ彼らの日常の1シーンを切り取った形というか。
特に事件がおきるわけでもなく、みんな仲良くほのぼの暮らしているんだなという感じで、見てて幸せな気持ちになれたのです。
そうか・・・絵本ってそうなんだ。
教訓みたいなものが必ずしも必要なんじゃなくて、読んでいる児童たちが幸せな気持ちになったり、そのシーンに想像を膨らませたりすることができるのが大切だったりするんですね。
※これが2時間の映画だったらとっても耐えられないわけですが!
その他の感想!
あとは「森のどうぶつ」として、ゾウやワニ、オオカミなどが集まってくるところも良かったです。
彼らが住む森がどこなのかは知りませんけども、こういういろんな動物が集まれる場所なんですよ。
これ、残念なことにシリーズ後半の作品だと無難な動物になっちゃってるんですね。アヒルとか、クマとか。
でも・・・やっぱり絵本としてはゾウとかワニとかがカステラのにおいにつられて集まってきちゃう方が熱いですw
いつまでもこの世界をみていたいような、そんな気持ちにさせられる一冊でした!
おわりに
というわけで、「ぐりとぐら」・・・未だ観た事がないおじさんの心すら動かす可能性がある恐ろしい作品でした!
息子はシリーズの絵本を何冊か借りてきてくれていて。
その中でも「ぐりとぐらのうたうた12つき」という絵本が本作の次ぐらいに息子の”推し”だったようなのです。
でもそっちはここまで心を揺さぶられなかったなぁ。
やっぱり初出(1960年代)から40年経っての作品ということもあって、中身も洗練されちゃってたんですよね。
それでも
かばんに はいってるものは なあに?
ほん
だれが よむの?
ぼく
[引用]福音館書店「ぐりとぐらのうたうた12つき」
という文面にはブルッと来ましたが・・・!
こういうのって センス なのかなぁ、やっぱり。
うらやましい。