トランスジェンダーの女性が女子大会に出る問題は単純な話ではなかった（あたりまえ）

昨年ぐらいから、「トランスジェンダーの女性が女子陸上大会に出て無双する」ということがたびたび話題にあがってます。

これ、あまり深く考えないで結論を出すと「社会的・精神的には女性だけれど、肉体的には男性なんだからダメ」っていう話になってくると思うんですが、よくよく考えるとそんな単純なことではなさそうなんですよ。

やっぱりこういうのって色んな人の立場で考えないとダメなんですよねえ・・・。難しい。

というわけで、いったい何がどうアカンのか？？っていうところについてまとめました。

なぜトランスジェンダーの女性は女子陸上大会に出てはいけないのか？

トランスジェンダーの女性・・・つまり、生まれつき男性の肉体を持ってしまった女性が陸上競技大会に出ると何がまずいのか？
その答えは・・・「肉体が男性なので、肉体が女性の人よりも陸上競技において優位である」ということです。

もちろん医学的に「男性の肉体は女性の肉体よりも無条件にパワフルである」と決定付けることはできないと思いますが、平均的にそういう傾向にある・・・ってことです。

平たくいうと、男性の方が女性よりも速く走れるし、高く飛べるし、遠くまでジャンプできるし、重い球を投げられる・・・みたいな。

なので、トランスジェンダーの女性が女子の陸上競技に混ざると、一般的には「無双できる」っていうことを意味するのかなと。
※現にそれで圧勝している選手の方もいるのだとか。

賞金のために社会的な性転換をする可能性

もしそういう前提なのであれば、賞金がかかっている大会に女性として出場するために性転換をする人というのが出てきてもおかしくありません。

日本人の感覚だと「そんなことのために性転換なんて面倒なことやるやついるのか？」と考えてしまいがちですが、もっと経済的に貧しい国の人とかだったら余裕で考えることだと思うのです。（想像でしかないけど）

性転換といっても”肉体的な”性転換ではなく、あくまで社会的な性転換ですからね。
そこの国でその人が「女性である」と認められさえすれば女子の大会に出られるのであれば、大会に出場するために性転換をして、賞金をゲットしたあとで元に戻ろう・・・なんていう偽トランスジェンダー女子が出てもおかしくないのではないでしょうか。

そもそも競技が男女で分かれている理由は・・・？

そもそも、なぜ陸上競技が男女で分かれているのかという話を考えると、おそらくはトランスジェンダーなどの概念がなかった頃に「男性は女性よりも肉体的に有利」という考え方（というかデータ）があって、「男女混合でやったら女子が活躍できんやん」ってところからだったのではないかと思われます。

まぁ・・・生物学的な役割を考えても、やっぱり雄っていうのは闘うための存在だったりするじゃないですか。
なのでもともと女性に比べて強靭な肉体を持つように出来ているのだろうなと。

これ、陸上で考えるからちょっと難しいかもしれないけど、たとえばボクシングとか総合格闘技とか・・・そういうところで考えてみたらどうですかね？
男性と女性がガチで殴り合いのバトルをして・・・って思うと、なんとなく男性が勝ちそうな、、、

でもそんな単純な話ではなかったのである。。。

・・・とここまで考えたら僕の頭にも一つの疑問が浮かんだのです。

「待てよ・・・？神取忍選手って天龍源一郎選手と戦ってなかったっけ？？」

そう、男性の肉体、女性の肉体って言っても、なんていうか・・・個人差があるわけです。
神取選手に勝てる男子、どれぐらいいるの？？って話ですよ。

全然鍛えてない僕なんか、女子の陸上に出ても余裕で負ける自信ありますし。
女性格闘家とバトルしようものなら一瞬でボコボコです。

あれ・・・そうなってくると、そもそも男性だから、女性だから・・・っていうくくりが変なのかな。

要はテストステロン値の問題じゃね・・・？

まぁ、鍛えてない僕と鍛えている女性とを比べるのは無理がありますけどもｗ
同じく鍛えている同士の男性、鍛えている同士の女性を比べても、そもそも生まれ持った肉体っていうのは人それぞれ違いがあるわけじゃないですか。

もし「肉体的に男性だったら女子の大会に出るのは許されない」なんて話になったとしたら、「生まれつき男性のような構造の肉体をした、社会的・精神的・肉体的にも女性」という人はどうなるんでしょう？
こっちは許される・・・のであれば不公平になりそうな気がしないでもない。。。

何を以って「女性の肉体」とするのか？？という話にもなってきそうです。

要は「男性・女性」とかで分けるから変なのであって、重量（ボクシングの階級みたいな）とかテストステロン値による区分をした方が良いのでは・・・？なんて思いました。

女子選手としては「なんも言えねぇ・・・」って話になってくる

さらに言うとこれ、女子選手側からは「肉体が男性なんだから女子の大会に出ちゃダメ」とは言えないんですよね。

だってそれを言っちゃったら「あなたは心が女性かもしれないけど、女性としては認められない」って女性側から言われているようなもんでしょ？
そんなのって差別ですもんね・・・。

だから女子選手としては、納得いかないけど苦虫を噛むしかないというか・・・そんな感じなのかなーと。
こちらを立てればあちらが立たず・・・ほんと難しい問題だわ。。。

・・・うん、やっぱり大会を男性・女性で分けるから変なんだ。

おわりに

とまぁ、そんな話でした。

こういうことを考えてるとなんでもジェンダーが気になるようになってきちゃって。

スマートウォークより

たとえばドラクエウォークのキャラ設定画面でもわざわざ「おとこ / おんな」ってのを選んで、それぞれに男っぽい顔、女っぽい髪型・・・みたいなのが用意されてるんですね。

当初、何の疑いも持たずに「この子は女の子だから可愛い服着せてあげて～」とか考えてたんですけど、ある日息子から「パパ、なんでアカメー（男のキャラ）はこっちの髪の毛が選べないんだろうね？」みたいなことを言われまして。
何気にこういう身近なところでも「ジェンダー論的にええのん？」っていうのがあるんだなぁと思わせられたのです。

「THE W」（女性のみ出場できる芸人さんの大会）とかもどうかと思いますよね。
なんで男性が出場できないのかがわからないし、ただただ男性差別になっているような気もするし。
（女性はお笑い面で男性よりも優れてないとでも言いたいのかな？？）

男女で差がつかないようなものをあえて区別するのは意味がないというか、やっぱり差別的な感じがするかなぁ。

今後の世の中はこういうところがもうちょっと論理的に解決できるようになっていくのかしら？
（僕は旧時代的な考え方なので、こういうのはやっぱりなんだかちょっとメンドクサイなと感じてしまうのだけれど・・・必要なことなのよね）