パクリかそうでないかの具体例~パクリとオマージュの境界線~
2023/02/08
なんでもかんでも「パクリだ」と言う人がいるので、パクリとオマージュの違いについて調べていたところ・・・過去に妙に納得できるツイートがあって感動しました。
誰が言ってたなぁ。 バレて困るのがパクリ バレなきゃ困るのがパロディ わかる人にだけわかればいいのがオマージュ 製作者にわかって欲しいのがリスペクト バレた時の言い訳に使うのがインスパイア
— もやし (@Moyasi_Pengin) November 14, 2018
もう本当にこれ。
しいていうならインスパイアの扱いが酷いw
僕的にはオマージュとリスペクト、インスパイアはほぼ同義かな~という感じもありますね。
※オマージュ(仏:hommage)には「(芸術作品に対する)敬意」という意味があり、またインスパイア(着想を得る、的な意味)も”リスペクトありき”だからと思ってます。
あーでもインスパイアされてこき下ろす・・・っていう手法もあるか。
今回はそんな「オマージュ」「パクリ」「パロディ」に対しての具体例を挙げていきたいなと!
それぞれの具体例
僕が思いつく範囲での具体例を挙げていきます。
オマージュの具体例
オマージュの具体例としては、スターウォーズと黒澤明監督の作品なんかが挙げられるようですが・・・僕がパッと思いついたのはBiSの楽曲「FINAL DANCE」および、BiSHの「SPARK」などWACK作品です。
ところどころに「イエモン味」を感じるんですよね~。
プロデューサーの渡辺淳之介先生がイエモン好きを公言しているだけあって、堂々とオマージュしているっていうか。
具体例と言いながら具体的にどうオマージュしているのかは権利の都合上書けませんが、、、要はイエモン好きの人が聴いたらみんな「あっ、これってアレじゃん!やりやがったな(笑)」っていう感覚になれるというか。
しかもそれが嫌味じゃなくて、前述のとおり「敬意(リスペクト)ありき」なので、「好きだからやっちゃってます!」っていう・・・「吉井さんに届け!」みたいなメッセージのようにも思えるんですよね。
真似た側は悪びれることなく「これが元ネタです」って公言できるし、真似られた方も悪い気がしない。
「オマージュ」「パロディ」「パクリ」の中では一番問題になりにくい模倣策がオマージュなのかなと。
パロディの具体例
パロディの具体例として挙げられるのは、ちょっと違うかもしれないけど「モノマネタレント」とかじゃないでしょうか。
元になる作品が有名である前提があって、それをちょっと茶化して面白おかしくする・・・っていう。
ウェブ上でよく見かけるジョジョのコラ画像とかもパロディの一種ですかね。
パロディもオマージュ同様、元ネタに対しての敬意ありきだとは思っています。
というか冒頭のツイートのとおり、元ネタがわからないとただの寒い二流品に成り兼ねず、バレてくれないと困るわけですw
ただ、茶化しが過ぎると真似された側やそのフォロワーが不愉快になるなど、場合によってはオリジナルの作者から怒られる可能性も十分に秘めている模倣なのかな。
意図的に元作品を揶揄するためにパロディにする場合もありますしね。
その場合には怒られるとしてもパクリのような著作権の侵害というよりは名誉棄損とかの方が該当しそうな感じでしょうか。
パクリの具体例
さて・・・一番の問題児、パクリ太郎。
具体例でいうと、「レスポールモデル」というギブソン社が生み出したギターを第三者メーカーが勝手に製造販売している・・・などが挙げられます。
基準となるポイントは「他者の作品や手法を無許可に盗んでおきながら、『自分が考えました』って顔してるヤツ」ってところでしょうか。
例のトレパクアーティストさんの件もそれですね。
受け手側にとっては「いやいや、それお前が考えたヤツとちゃうんやん」ってなっちゃうのがパクリ。
なので手柄を横取りされた形になるオリジナルの作者さんも激おこ。
まぁ最近は「自分が考えました」って顔してなくても堂々と「有名ブランド品のニセモノです」みたいな感じで開き直ってるパクラーも多いですけどね~。
パクリはなぜアカンのか
そもそも論として、なぜパクリがダメなのか?という話なんですけど、これはすっごく単純です。
パクる=窃盗する
ということですから、つまりは他人の作品やプロット、その手法などを盗むことは「よくないこと」なわけです。
人の物を盗っちゃダメって子供の頃に教わったもんね。
ではなぜ同様に人が考えたものを流用しているのに、オマージュやパロディが許される(傾向にある)のか?
その答えは前述したとおり「自分のものにしていない」というところが挙げられるのではないでしょうか。
たとえば前述のBiSの楽曲を、製作者が「イエモン??知りません。僕がオリジナルで考えました」って言っていたら?
モノマネタレントが「え?僕がオリジナルですけど・・・。その歌手の方が僕の真似してるんじゃないですか?」って言っていたら、、、どうでしょうか?
敬意がある無しというより「アタオカ案件」として処理されそうではありますがw
つまり、オマージュやパロっていうのは、やっぱり盗む側も立場をわきまえてるわけですよね。
一方パクリ作品の作者は世の中に「これはパクリだ!」って指摘されるまで黙ってる傾向にあるんですよ。
前にあったオリンピックのロゴの話の時もそうでしたよね。
自分たちから「これこれこういう作品からインスパイアされました」みたいに最初から言ってたらまだしも、結局バレてから「オマージュです」って・・・w
あ、いや・・・待てよ・・・?
彼らにとっては「これの元の作品、みんな知ってるよね?有名だよね?だからみんながこれを見てクスッとしてくれると思ったんだ!」ってことだったのかな。(ない)
偶然似ちゃった場合
ちなみに、作品を作っているとどうしても「偶然構図が似ちゃった」とか「楽曲の進行が似てしまった」「演出が似てしまった」ということってあると思うんです。
本人はパクってるつもりがなくても、第三者が見た時にものすごくソックリだった・・・っていうものが。
これが許されるかどうかっていうのはもうオリジナルの作者様の感じ方次第だと思うのですが・・・個人的にはもし本当に偶然似てしまっただけなのだとしたら許してあげて欲しいところです。
というのも、人は生きているだけで本当にたくさんの作品に触れるわけですよ。
それらが記憶の奥底に残っていたとしても全く不思議ではなく、自分が生み出したつもりだったとしてもその「記憶の奥底にある引き出し」を開けてしまっていたという可能性も捨てきれないわけじゃないですか。
一種の「無意識化のインスパイア」というか。。。
たとえば幼少期に聞いたフレーズというのがあって。
大人になってお風呂で歌っていた鼻歌が妙に心地よくて・・・これを元に作曲をしたら「それ、昔に流行ったあの曲やんけー!!」みたいな?
明確に盗もうと思ったわけじゃないんだけど、なんとなく「自分のものなんじゃないか?」と勘違いしたまま外に出してしまう・・・ということはないとも言えないと思うのです。
まぁ、だから「バレた時の言い訳に使うのがインスパイア」なのかもしれないけれど。
インスパイアと言えば何でも許されるとかそういうわけじゃなく、「あ、言われてみたら幼い頃にその映画を観てたかも・・・!」みたいなインスパイアもあるのではないかと。
いずれにせよ、オリジナル側の作者さんが許せなければ訴訟問題になるんだろうし、そうでなければ許されるっていうだけの話ではありますが!
※稀に「どこがパクリなん??」っていうぐらい、言いがかりに等しい訴えをしている人もいますな!
パクリがパブリックになった例
ちなみに、前述のギブソン・レスポールモデルは、法的には「パブリックである」とされてしまいました。
レスポールモデルはその名の通り、もともとはギタリストのレスポール氏のために開発されたシグネチャーアイテムだったのですが・・・あまりにも模倣するメーカーが多く、「もはやレスポールというのはそのシェイプにつけられた名前だ!」みたいな判決が出ちゃったんですね。
ただまぁ・・・たしかにレスポールに関しては「どれがオリジナルか?」というのはギタリストなら誰でも知っているし・・・。
たとえばダイバーズウォッチをいくらROLEX風にしたところで、そこにROLEXって書いて無ければみんな「あーニセモノか」って思えますもんね。
そう考えたらパクリも一種のインスパイアと言えるのかな(もうよくわかんなくなってる)
おわりに
前置きが長くなりましたが・・・端的にいうと
オリジナルの作者またはそのフォロワーが「それお前のじゃねえから!」って怒るか否か
ってところがパクリとそれ以外の境界線ってところに収束していくのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
まぁグチグチとなんだかんだ書いてきましたが、結局は先輩ブロガーさんが何かの折に書いていた一文が全てだと思ってます。
どこまでがオマージュでどこからがパクリなんて、本当はみんなわかってるでしょ
っていうね。
誰だったかな・・・ヨスさんだったかな。
ちょっと失念してしまったんですが、このフレーズだけがすんごい強烈に記憶に残ってるんですよ。
もうね、本当にそのとおり。
パクってるヤツっていうのは、本当は自分がパクってるっていうのをわかってるはずなんですよね。
だから今後自分が何かをパクった時にはしっかり「パクりました」って言うべきだし、そうでなかったらパクらないようにする!ってところですな。(あたりまえ)
※なお・・・無意識化のインスパイアはよくやらかしてしまう模様。。。
2023/02/08
Comment
お疲れ様でふ
パロディ部門だと美川憲一さんがコロッケさんのモノマネで再ブレークしたってのが、古い記憶ですかね
(おすぎがピーコをオマージュとかね)
やっぱり「そこに愛はあるんか?」なんでしょうねぇ
マネされた方の度量の大きさ(そんな怒んなよみたいな)を勝手に他人が判断しちゃう傾向にあるのもなんだか危うい感じもしたりしなかったり
本当にイヤだったら人は怒るからね
自分は生産性のない人間ではありますが、もう人が表現出来るものってある種出尽くしたんではないかと思っておりまするー
そうそう、最近フェスの関係でフィーチャーされてた大御所ロック歌手さん(発信したロック歌手さん含めオレは両方とも大好き)は、レノン&マッカートニーが大好き(オレはハリスン派)だそうで、自分の曲やら提供した曲にちょいちょいイントロやらコード進行にオマージュを感じさせます
「あぁーっ!?」ってなるとなんとなくうれしい発見をしたようでグヘヘとなりますな
ロードランナーK.K.さん
コメントありがとうございます!
パロディやオマージュにはそういう相乗効果がありますよね。
おすぎとピーコはどっちがどっちやら、、、
>度量の大きさ
この辺はねえ・・・本人にしかわからない部分ですのでね。
オマージュだろうとパロディだろうと不愉快だったら怒って良いと思うのです。
他者が「そんなことで怒るなよー」はやっぱりおかしいですもんね。
>表現出来るもの
いやー、それがまだまだ新しいものって生まれ続けてて・・・やっぱり若い才能に嫉妬したり。。。
>フェスの関係で
車のCMソングなんかモロでしたよねw