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なぜ弁護士は人道的に許せない人間さえも無罪にすべく戦わなければならないのか

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京アニ事件の裁判で、弁護士が心身喪失、心神耗弱(こうじゃく)を理由に減刑を求める弁論をしたとのことに納得できなかった人が多いようです。

もちろん僕も「36人も殺しておいて無罪はないだろ・・・」と思いました。

ただ、日本が法治国家である以上、これは避けられないことというか・・・。
弁護士は弁護士の役割として、罪を軽くすることへの努力を怠ってはいけないし、罪が重くなる方向に働いてはいけないわけであります。

そういう前提で考えれば、36人も殺害してしまっているため「反省してるんだし許してあげてよ」→懲役〇年というような刑罰が下される可能性がない被告人には「心神喪失で無罪」という落としどころしかなかったのかな、と。

そもそもなぜ心神喪失者は無罪なのか

僕はそもそも、人を36人も殺害しておいて「責任能力がないので罪に問われない」というようなことに納得がいかなかったので、なぜ心神喪失者が無罪になるのかを調べてみました。

少しわかりやすい例があったので共有しますね。

もしあなたが頭に銃口を突き付けられた状態で、「目の前にいる罪もない人間を殺せ」と命じられた場合、どのような行動にでるでしょうか?
僕だったらなんとなく、銃で頭を撃ち抜いてもらえた方が一瞬で苦しみから逃れられそうなので「殺してくれー」と懇願するかも・・・と考えましたが、まぁその状況になってみないとわかりませんよね。(リアルな「自分の死を選択する恐怖」には直面したことがないので・・・)

その状況で自分が死にたくないがあまり、目の前の人間を殺してしまった場合・・・これは罪に問われるのか否か?というのが「責任能力」の話になってくるみたいです。

たとえ自分が死ななくとも、拷問にかけられるとか。
もしくは家族や恋人など大切な人が傷つけられるとか・・・そういう状況を想像してみてください。

つまり、何かしらの人質を取られて脅されている時。
あなたは正常な判断ができるだろうか・・・?と。
自分が助かるために、何の罪もない人を殺してしまう可能性はないのだろうか?と。

心神喪失者は使命に突き動かされている?

で、心神喪失者の場合・・・これが「1人の人間の中で完結している」というような感じらしいです。

要は頭の中にもう一人の自分、または別の人格がいて。
その人に「やれ」と脅されているような状態、と。

※実際にそうなのかどうかはさておき、そういうイメージってこと。

これもその状況に自分が置かれていないとどんなもんかは想像がつきませんけども・・・「やらなければ自分がやられる」というような精神状態にあるのであれば、そら正常な判断はできませんわな、ということなんでしょうね。

先の例と照らし合わせて考えるのであれば、一番悪いのは「殺人を実行した人」ではなく「それを指示した人」と言えるでしょう。
(外部からみれば「実行したのも指示したのも自分やんけ」ってなってしまうところが難しいですけどね、、、)

もし、「脅されてやったのなら仕方がない」という判断になるのであれば、心神喪失者が無罪になるのも仕方なく。
逆に「どんな状況であれ、被害者の命を一番重要視すべし」という判断であれば、精神がどうあれ罪に問うべき・・・という感じでしょうか。

※そんなことを言われても自分が被害者遺族だったら納得できないと思いますが。。

もしも弁護士がいなかったら・・・

で、最初の話題。
日本では刑事裁判において、被疑者および被告人には必ず弁護士がつくのだそうです。

自分で雇わなかった場合でも、国が費用を負担してまで国選弁護人が弁護してくれるわけです。

なぜかというと・・・弁護人がいなかったら検察の主張が100%通るわけじゃないですか。
どちらかの主張が100%通るような状況だったら、それって裁判じゃないですよね。裁判やる意味ないっていうか・・・。

※逆に検察のいない裁判だったら、悪いことしたヤツが確実に無罪になる、みたいな感じ。

つまり、ちゃんと公平に裁判が行われるためには、悪事をつつく検察官と、それに対抗するための弁護士というのが必要なわけですよ。

先にも述べたとおり、弁護士の役割というのは罪を軽くする(または無くす)ことですから、いくら凶悪犯だったとしてもそこから手を抜くことはできないわけで。
それを仕事として選んだ以上は36人殺害していようとも「無罪」を求めて戦うしかないのです。
(弁護をしない弁護士とか、罪を重くする方向に働く弁護士がいたら、それこそヤバイでしょ)

そのため、弁護士に対して「金のために悪事に加担するのか!」みたいな、「お前はそれでも人間か!!」みたいな感情をぶつけるのはやっぱり違うわけですな。

おわりに

まぁー・・・それでもやっぱり納得いかないですけどね、、

もし、精神疾患で頭の中に自分のことを脅す人物がいることを論点にするのであれば、与えられる罪というのも「頭の中の別の人物」がいる前提にならなければおかしいんじゃないかなぁ。
つまり「実際に殺害を実行したキミは許そう。無罪。でも君の頭の中のソイツは許さない。死刑。」みたいなね、、、

ちなみに、心神喪失で無罪を勝ち取った(?)人も、その後の人生が「今まで通り」というわけにはいかないそうです。
なのでまぁ、漫画とかにあるような「心神喪失のふりをして美味しい想いをする」みたいなのはできないと考えた方がいいのかな。

   

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