ソフトな百合でキャラ立ちがすごい、ジャンプ+に移籍の「オトメの帝国」が面白い!!
2023/08/08
ジャンプ+をいつも楽しく読ませてもらってます。
最近「オトメの帝国」という”百合漫画の日本代表”を全話一気に読みまして。
・・・これ、めちゃくちゃ面白いですね!!
今まで知らなかったのが本当に悔やまれます。
「百合」なんて聞くと敬遠する人もいるかもしれないけれど、本当にソフトな百合なので・・・ただただ仲が良すぎる女の子たちを見ている感じ。
言うならば「けいおん!」のもうちょっとリアリティがある漫画・・・ってところでしょうか。
特段LGBTに理解がある人じゃなくても、「どうしても気持ち悪い」という人じゃなければ、(特に男性なら)微笑ましく見られる作品なんじゃないかなと思います。
リアリティがあるって言っても、絶対にこんな百合女子校はないですけどね!
でも僕みたいなオッサンからしてみたら、カワイイ女子高生たちがこんな感じでキャッキャウフフと楽しい日常を送っているんだと妄想するだけでも幸せな気持ちになれるってなもの。
というわけで、ちょっとだけ作品を読んだ感想を書いていきます。
オトメの帝国の感想
オトメの帝国は百合・・・つまり女性同士の恋愛(・・・なのかな?)を描いた学園漫画です。
作者は岸虎次郎先生。
もともとはビジネスジャンプで連載されていた漫画だそうですが、現在はグランドジャンプのWEB漫画およびニコニコ静画で連載中です。
そして、今月(2017年11月)からジャンプ+に連載が引き継がれる(新作が読めるようになる)んだとか・・・!
マジかよ・・・なにそれ胸熱・・・!
漫画自体は1話1話が小さい話の集まりで、なんとなく「あるある」を描いたようなショートコメディっぽい感じ。
ただそれらの話が全体を通すと繋がっていて面白いんですね。
この辺がすごく「けいおん!」っぽいなーと。
女子高生だし、みんなカワイイしね。
なので登場人物たちの恋愛(百合)や友情関係も徐々に進んでいくし、最初は別グループ・別の学年として描かれていた子たちが徐々に繋がっていって、面白いんです。
相関図を作りたい感じで複雑に絡んでいくんですよこれが!
読んでいるうちに、なんともあの学園の中のワールドに読者が取り込まれていくような感じがしてたまりません。
魅力的なキャラクターたち
この漫画の魅力はキャラクターに尽きると思います。
なんといっても登場人物が全員魅力的なんですよ、これが。
キャラが立ちまくってる。
たぶん読んでいる人全員が全員、「主要な登場人物に嫌いな子がいない」って状態じゃないですかね!?
きっと登場人物全員が主人公であり、しっかり全員にスポットがあたるようにできているせいかもしれません。
僕が魅力を感じているキャラクターたちは以下です。(ちょっとネタバレあり)
綾乃×三好
本作の主人公は前述のとおり「全員」なんですが、全体を通してのキーパーソンとなるのは底抜けに明るい三好だと思います。
三好のキャラクターのおかげでそれまでに関わってこなかったような子たちが一つの輪になっていける感じというか。
そんな三好と第一話から百合カップルだったのがクールビューティ綾乃。
オヤジ臭い言動で三好に絡みながらも、(もしかすると叶わない)恋の相手として意識する描写があったりして、読者に切なさを感じさせてくれます。
LGBTがそこそこ認められる世の中になったとはいえ、世間でいう「普通」に過ごしていけば二人で一緒になる将来というのはまだまだ難しそうですからね。
ただまぁ、綾乃もそこまでしっかりと三好とどうこうなりたいと思ってるわけじゃないんでしょうけど。
それでも時折見せてくれる切ない行動にオジサンの心はキュンキュンしちゃうわけです。
僕が好きなエピソードは第100話。
三好が「将来彼氏に壁ドンされた時に(ふざけてやった)綾乃との壁ドンを思い出して笑っちゃう」と発言したことに軽くジェラって思わずキスしてしまう綾乃。
「チューしたなー」「してないわよ」の問答のあと、「指を2本それっぽくあてただけよ」と弁明する綾乃に「すげー!もう一回やって!」とはしゃぐ三好。
で、言われるままに指二本を唇にもっていった時の
「ちがうじゃん」
最高!w
いやこれ、僕が男だから、そして漫画に出てくるのがカワイイ女の子たちだから最高なだけかもしれないですけどね。
これがオッサン二人だったら見てないかもしれない。(差別じゃなくて好みの問題です)
小野田さん
綾乃や三好と同様に第一話から登場している生徒会長の小野田さん。
何気に影の主人公は彼女なんじゃないかと思うぐらい、内面の葛藤と成長が描かれていて面白いです。
当初は綾乃や三好を「ギャル」と位置付けて、行動一つ一つに苛立ちすら覚えていたのに、ある日を境に彼女たちのグループに入ることになります。
強引に誘われる形だったとはいえ、自分の意志で彼女たちと行動することによって、それまで抱えていた偏見を払拭することができるようになりました。
これ、なんかすごくよくわかるんです。
僕も高校生ぐらいの頃に、クラスのヒエラルキーが高い人たちのことを勝手に疎んでいた時期がありました。
彼らがすごく楽しそうにしているのを見て、いわば逆恨みのような形で「ケッ」みたいな。
でも、実際に触れ合ってみると結構いいヤツばっかりだったりするんですよね。
個人的には、日中韓とかの問題ももしかしたらこれに近い部分があったりするんじゃないかな~なんて思ってます。
※もちろんダメなヤツはダメだけどw
で、小野田さんの場合、こういうエピソードが後半でもう一つあって・・・それまでは百合カップルグループの中で一人浮いた存在だった小野田さんもついに百合相手をゲットしていくんですよ!
その彼女との出会いがまた「小野田さんの葛藤」とその克服みたいなところから来ていて、とっても人間臭くて最高なのです。
ほのっちぃ
百合漫画の登場人物にして腐女子という特別な存在感を放つ”ほのっちぃ”こと山田ほのか。
身長180cmでクラスの女子ともあまり話さず、BL漫画ばかり描いている・・・というせいで、まわりからは一種畏怖のようなものを感じられている人物です。
・・・が!
・・・たぶん読者はみんなほのかのファンなんじゃないかなぁ。
とにかく”オタク”ってことで蔑まれ続けてきた中学時代のエピソードだったり、クラスでも綾乃や三好には「呪いをかけられそう」みたいに言われていたりと・・・周りにうまく溶け込めない姿が描かれているんですが、実際には周りに迷惑をかけるような言動はないし、自分のことよりも他人の気持ちを考えられる「根はとても優しい子」なんですよね・・・。
後輩のみどりりが友達と絶好した時も、鬼火先輩が「流れに任せて」なんていう「触れない対応」をしようとしているのに対し、ほのかは苦言を呈していますからね。
悪戯に描かれたほのかの過去を表すシーンにはとても胸が締め付けられましたが、その後に留学生のエリーシャとの出会いによってほのか自身も読者である我々も救われていきます。
集団生活をとても大切にする日本人にとって異質な存在でしかない彼女の素の部分に、欧米人であるエリーシャが目を付けたのは必然といったところでしょうか。
僕が好きなエピソードはほのかとエリーシャ、ゲイのカップルであるエドとイアンが夏祭りの花火を見に行くエピソード。(95話)
「花火なんて ずっと自分の部屋で遠くに音だけ聞いてたーーー」
これ、すっごいわかる。
子供の頃は無邪気に観られていた花火が、いつのまにか「リア充のためのもの・・・」みたいな存在になっていたんだよなぁと。
今では僕も結婚して子供と無邪気に花火を観られるようになりましたが、思春期の頃ってこういう感じだったよなというのをほのかを通じて思い出させられました。
もうとにかくほのかとエリーシャのエピソードにはほのぼのさせられてる人が多いんじゃないかと思いますね~。
ほんと、エリーシャには「ほのかと出会ってくれてありがとう!」って感じです。
のののん×ゆみみ
物語の本線にはまだ絡んでこない感じですが、ちょいちょい描かれる「ディベート部」のエピソードに登場する2人。
のののん先輩と、その後輩のゆみみも個人的には大好きです。
正確には現状のゆみみはあまり好きではないんですが、のののん先輩の思考にはかなり共感できる部分があるんですよ。
ディベート部は4人で活動していて、そのうちの3人がとにかくイチャイチャしてて仲が良くて、たまーに部長ののののんをいじる・・・と。
先輩である威厳を保ちたい部分と、自分も仲間に入りたい部分と、そういった葛藤の描かれ方がなんともこう胸を締め付けるというかw
実際に僕も大学の頃に美術部の部長をやっていて、後輩たちがあんな感じで・・・うまく溶け込めなかった過去があるんです。
そのせいか、本当に自分を見ているようで・・・のののん先輩を応援したくなります。
※僕はこんなカワイイ女子高生ではなかったですが。
今はまだゆみみに翻弄されるのののん先輩といった感じですが、今後の進展が楽しみですね~。
※後日追記:結局一番の推しはののゆみCPですなぁ、、、とくにのののん先輩が可愛すぎる、、、(そしてゆみみが男前すぎる)
今はまだ「あははっ」って自分を誤魔化している部分があるのかもしれないけれど、ゆみみという存在が自分をさらけ出せる場になったらまた一皮剥けそうな、、、
奈緒
最後に、これまたサイドエピソード的に登場する沢野奈緒ちゃん。
セレブで優等生ながら、中学生男子並みに変態的な性への欲望を持っているという・・・作中で一番(ある意味)可哀そうな子ですw
でもまぁ、なんかわかるんですよね、こういうの。
周囲の期待に応えようとしすぎて、普段は自分を殺してしまっている・・・、それゆえに一人の時に妄想が爆発してしまう、みたいな。
例えば雑誌の投稿にあった「コートの下でスカートを脱いで、パンイチで登下校する」みたいなのを実際にやっちゃうとかね。
僕はさすがに(男なので)やったことはないですが、でも中学生ぐらいの頃って男子は本当に脳みそがこんな感じだったなって思いますよ。
なんでなんですかね。日本が性に関してちょっと隠す風潮があるからなのかなぁ・・・?
いわゆる好奇心が爆発しちゃうとこうなるんだろうなーって感じで、やっぱりリアリティがあるキャラクターだなーと思います。
おわりに
前述のとおり、もう本当に全員が主人公なのでキャラクターの魅力がヤバいんです。
あーちゃん×ちえとか、まひまひとか、優と茉莉とか。
とにかく「こんな百合だらけの女子校なんてねえよ!」っていうのはすごくよくわかるんだけど、こんな感じに葛藤して生きている子たちは絶対にいるし、そういった部分でのリアリティがとても面白くて、可愛くて、目が離せない漫画って感じです。
オトメの帝国・・・かなりオススメですよー!(そして今後が超楽しみ!!)
2023/08/08