本編よりも熱いんじゃないかってぐらい熱い「マギ シンドバッドの冒険」
2023/08/08
マンガワンを楽しく読ませて頂いています。
中でも「MAGI」の前日譚である「シンドバッドの冒険」がめちゃくちゃ熱いです。
本編を読んだ時に感じた、「シンドバッドの設定が厚すぎないこれ」って疑問が紐解ける内容になっているので、本編を読んだ人は絶対読んだ方がいい作品ですね。
作画もMAGIのアシスタントの方がやられているとかで、パッと見はほとんど本編と違和感なく読み進められます。
「公式同人誌かよ」なんて思ってたら損しますこれ。
作品も出版社も違うけど、ワンピースの長ったらしい過去編もこんな感じやってくれた方が面白いんじゃないかと思う。
※進撃の巨人のスピンオフはなかなか入り込めなかった。
特に熱い場面について感想を書きます。
マギ シンドバッドの冒険の感想
何が熱いって、本編で登場するシンドバッドの八人将の過去、シンドバッドとどう絆を深めていったのかについてが描かれているわけですが、これがもう胸熱すぎ。
物語はシンドバッドが生まれて、いかにして国を作ろうと思うようになったのか、
そしてそれをいかに実現させていくのか、というのがメインストリームではあります。
そこに絶妙に絡んでくる八人将の面々。
ファンじゃなくても読むべきですw
ドラコーンの過去
特に僕が好きなのはドラコーンの過去。
本編でも「あの人も昔は人の姿をしてたんだ」みたいな感じで軽く触れられてましたが、
どういう経緯であの姿になり、なぜあのような紳士なのか・・・みたいなのがわかりました。
もとは軍人としての立場というものを勘違いしていた人間だったのが、
シンドバッドに触れることでそういった部分が抜けて、育ちの良さだけが残った感じですね。
八人将とシンドバッドの関係が上下関係がありながらも対等なのはこういう事だったのか・・・みたいなのもわかります。
ジャーファルが怒れる理由
本編においてシンドバッドが軽んじられた時に怒れるジャーファルさん。
その理由も話を追っていくごとに理解できるようになります。
決してキレイ事だけでは成し遂げられない想いというものを共有するシーン、たまらないです。
それ以外の人も。
他にも当然、ヒナホホやマスルールとの出会いから信頼を築くまでだったり、
ピスティやスパルトス、八人将以外ならファティマーとかの過去、ラシッド王との出会いまで描かれていて、なるほどなぁと。
ちょっぴりだけアリババとカシムも登場してました。
シンドバッドが国を作る理由
シンドバッドがシンドリア国を建国するのがこの漫画の終着点のような気もしますが、
その国を作るという想いが、この時点では「善」であるため、みていて心地いいです。
「国王になりたいわけじゃない。それはあくまで手段であって・・」という話をしていたのが印象的です。
商売の本質も学べるかも
あと個人的に一番面白いと感じたのは、シンドバッドがラシッド王とのチャンスを活かす為に自身の冒険を見世物にした時のこのセリフ。
まるで絵巻物に出てくる勇者の冒険譚と同じものなんだって・・・それを楽しんでくれる人がいるなら、それは「商品」になる。
そしてその「物語」は俺にしか紡げない。
これ、商売の本質なんですよね。
マギ本編もそうだけど、「商売」と「国盗り物語」と「ファンタジー」が入り混じっていて、
シンドバッドの冒険はシンドバッドが建国するために必要な資金や信頼関係を築いていくという側面からも、この「商売」の話が多いような気がします。
で、このシンドバッドの話。
たとえば今僕が書いているこの記事ですら同じ事があてはまるわけで。
「マギ シンドバッドの冒険」を読んだことがある人になら何の事はない事を書いているに過ぎないけれど、
読んだことがない人にしてみたら「へぇー、そうなんだ」って事を書いているかもしれない。
そうやって楽しんでくれている人がいれば、商品になるという話です。
iPhoneやゲーム機だって同じだし、レストランや旅行のガイドブックだって同じ。
世の中のサービスは「知らない人」または「楽しめる人」の為に存在していると言っても過言ではないと思うわけです。
おわりに
というわけで、マギ シンドバッドの冒険、僕が言う事でもないですが本編を読まれている方にはオススメです。本編を読んでなくても普通に話としては面白いけれど、入り込み方が絶対違うので。
「マギ シンドバッドの冒険」はマンガワンで全話無料で読むことができます。
2023/08/08