「酷い」と話題のドラゴンクエスト・ユアストーリー(映画)を観た感想!
2023/05/20
ドラクエ好きの息子たっての希望で映画「DRAGON QUEST YOUR STORY」を鑑賞しました。
前情報で「酷い、酷い」と言われていた本作ですが・・・どうせ一部のエンスージアストたちが騒いでるだけだろうと。
言うてもドラゴンクエストなんだし面白いだろうと。
そんな期待を胸に観始めたのですが・・・酷かったですw
いや、誤解のないように言えば、鑑賞後の感想としては「面白かった!」とか「CGのクオリティが高かった!」という肯定的なものでした。
ただ・・・「どうしてこうなった」感が強かったり、この感じだと続編は期待できないだろうという残念感だったり・・・劇場で観た人はとくにガックリ来たかもしれないなぁ、、、と。
そんなDQユアストーリーの感想です。
酷かった点(ネタバレあり)
先に膿を出しておきましょうね!!
この映画の酷かったポイントは・・・他の方もレビューで散々書いているとおり「なぜ余計なことをした??」という部分だと思います。
具体的に言うと・・・
冒頭から「ドラゴンクエストV」の世界をなぞるお話をずっと続けていて、いよいよラスボスとの戦いだ!というシーン。
そこに現れる(ドラゴンクエストの世界には存在しない)「コンピューターウイルス」という存在によって、主人公および映画を観ている人が一気に現実に引き戻される、という仕掛けがあるのです。
いやいや・・・。
いる??この設定、、、
視聴者はドラゴンクエストの世界を楽しんでグイグイのめり込んでいた所に、「はい、これはゲームの世界でした~!!」みたいな演出ですよ。
例えていうなら「ハリーポッター」を観ていて、物語の途中でポッターやヴォルデモートを紙を丸めるようにぐしゃぐしゃっとする描写がねじこまれて。
で、作者のJ.K.ローリングさんが机で悩んでいるシーンが映されて、「これは現実のお話じゃないのよ~」みたいな?w
どう考えてもいらないでしょ。
しかもその設定がエンディングに生かされるというわけでもなく・・・エンディングは結局DQ5の物語の終わりが描かれるのみ、っていう。なんそれ!!!
(一応エンディングの「メッセージ」には生かされてましたが)
本当にね・・・この部分だけが酷かったです。
一緒に旅をしていた仲間の一人が実はアンチウイルスプログラムだった・・・という設定が明かされた瞬間に妻は吹き出してたぐらい。
これが無ければ傑作だったのか!?
ではこの酷かった部分さえなかったら、作品としての評価はどうだったのか!?というと・・・個人的には「超良作だったとは言えない」と思ってます。
もちろんドラゴンクエスト5という作品自体がとても面白い内容なので、それを綴っている本作の物語がつまらないわけがありません。
映画化に向けて、普通にプレイしたら数時間の内容を2時間弱に縮めているため、ところどころ端折られていたり変更されているところはありましたが、そんなのは微々たるもので。
普通に見ごたえのある、のめり込める内容だったと思います。
・・・が、ガッ!!レディ。。。
どうしても「DQ5を知っている前提」で話が進むというか、ちょっと描写が足りない部分があったんじゃないかなーと。
それこそ「ビアンカかフローラか」っていうところはDQ5やってない勢にしてみたらものすごく違和感があったと思いますし。。(これ、映画で初めてDQ5の世界に触れた勢だったらビアンカ派はごく少数やで、、、)
また、前述したとおりダイジェスト的な話の進み方であるが故、どうしても全てがご都合主義的な展開になってしまっているのもね・・・仕方ないんだけれど、見てて「なんそれ」ってなりました。
まぁ、そんなことを妻や息子に話したら「そりゃそうでしょ。ドラクエ好きな人が観る映画なんだから」って言われてしまいましたが!!
良かったところ
逆に!
この映画のすごく良かったところは・・・ドラクエ5の追体験が出来たこと!!でしょうか。
グラフィックスがめちゃくちゃに綺麗で、それでいてキャラクターたちのイメージを損なうこともなく「実際にドラクエの世界にいたらこんな感じだったのか~」という感覚は結構序盤から楽しめました。
(なので、例の問題のシーンにあったバーチャルリアリティゲーム・・・あれが実際に作られたら絶対にやりたい!!)
キャラクターはうまいことディズニーピクサー作品の登場人物と鳥山明先生の絵が混ざったような雰囲気を持っていて・・・これまた新鮮だったなぁ。
しかも俳優を起用した声優陣も奇跡的に良い感じで。
特に吉田鋼太郎さんのゲマとか、ヤスケンさんのプサンとか超絶ハマり役だったんじゃないでしょうか??全く違和感なく楽しめました。
音楽もゲームまんま
あとはBGMね。
DQ5で使われていたBGMを中心に、実際にドラゴンクエストシリーズの”すぎやま曲”が使われていたのは臨場感がありました。
2020年からスタートしたアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」だと権利の関係で実際のDQのBGMが使えなかったというのがあって、当時のファンから不評だったんですよね。
僕はダイに関しては「これはこれでいいじゃん」って思ってたんだけど、やっぱ今回の映画を観て「知っている戦闘BGM」とかが流れると心が躍ったし、すごく「ゲームをしていたあの頃」に戻れたような感じもあって嬉しかったです。
DQ5って名作だったよなぁ!!
で、今回この映画を観ていて改めて「DQ5って名作だったなぁ」と感じさせられました。
親子孫3代に渡って繰り広げられるストーリーとか、主人公が勇者ではなく、あくまで(主人公なのに)脇役であるというポジションとか。
それがある意味「人間だれしも自分の冒険の主人公」みたいなメッセージになっていたのかなぁ・・・なんて思います。
だからこそ、そんなDQ5の世界観を変に壊すことなく映画化するだけでも面白かったと思うんですが・・・まぁそれだと「映画にする意味がなかった」んでしょうかね~??もったいない!
そこに意味がないのなら、SFC版のゲームをPS2や3DSでリメイクする必要だってなかったはずなのだが!?
※まぁ、それゆえの”ユアストーリー”だったわけですが、、、
その他の感想
その他、思ったことについていくつか。
子供に見せても大丈夫か?
ドラクエ好きなお子さんがいるご家庭で、ドラゴンクエストユアストーリーを子供に見せても大丈夫か!?と悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
僕個人としては「大丈夫」かなと。
暴力描写や性描写についてはほとんどないですし、そういう点に関しては安心して見せられます。
コミカルなシーンもあるので、まぁ・・・楽しめるかな?
ただ、前述したとおり「DQ5のストーリーを知っている前提」で話が進むようなところはありますので、それがわからない子だったら飽きちゃう可能性はあるかも。
それから例の問題シーンによって、ちょっと夢を壊されるような感じもあるというか・・・「桃太郎で鬼ヶ島についたら宇宙人が出てきて、なぜか宇宙人を倒したら平和になってた」みたいなお話の展開になることを受け入れられるかどうか??みたいなところはちょっと気になるところです。
7歳小学1年生の息子は、なんだかんだ楽しかったみたい。
どんな人にオススメか?
この作品、ドラクエの世界観が大好きな人だったら途中まではすごく楽しめると思います。
ただ、好きであればあるほど例の仕掛けで「駄作」という評価を下してしまうことになるのではないかな。。
なのでまぁ・・・「ドラクエ知ってるけど、愛してるってほどじゃないから映画として一つの作品を楽しみたい」ぐらいの気持ちの人にオススメしたいですw
というか、そういう人の感想が聞きたい!僕は。
と言っても、新海誠作品とかSTAND BY MEドラえもんとか、あの手のヤツが生理的に無理!って人には向かないかな、、、(なーんかクサいのよ・・・)
※後日追記:新海さんじゃなくて細田守作品だな
HD画質かSD画質か
今回僕はAmazon Videoでの48時間レンタルという形で視聴しました。
その際にHD画質(500円)、SD画質(400円)の選択肢があり、正直100円の差だったら綺麗な方で・・・とも思ったんですが、結局SD画質を選択することに。
HD画質は720p、SD画質は480pです。(p=画面の縦に割り振られるピクセル数)
参考までに2K相当のフルハイビジョン(FHD)が1080p、4kで2160pなので・・・480pだと1k未満??
我が家では昨年購入した4k58インチモニターでのSD画質ということで画質の粗さが目立つのではないかとかなり不安だったのですけども・・・意外にも大丈夫でした。
ただ、もっと画面が大きい方とか、画質がどうしても気になりそうな方はHD画質がオススメかもしれません。
おわりに
というわけで、ドラゴンクエストユアストーリーを観た感想でした。
冒頭でも書きましたが、酷い点こそあれど鑑賞後には「面白かったー」という気持ちにはなりましたし、レンタル期間中にもう一度観ようかな~!という想いもあります。
ただほんと、惜しかったなぁ・・・。
だってこれ、もう絶対に「DQ5の映画化」はないでしょ?
さらにいうとDQ4とかもやれないじゃん。同じ感じで作っても寒すぎるし、普通にDQ4を映画化するだけだと「え、じゃあユアストーリーなんだったん」ってなりそうだし。
そういう意味ではドラクエファンから顰蹙を買ってしまったのも仕方ないのかな、って思いますね~。
あ、そうそう最後に・・・なぜ主人公はゲームをスタートさせる前に「フローラと結婚する」という自己暗示をかけていながら、結局ビアンカを選ぶことになってしまったんでしょ?
「リュカの本心」としてはビアンカを選ぶのが正解・・・ということは、「今回はフローラで」と思っていても心の底で「ビアンカ派」だった場合にはあのゲームにおいては「フローラルート」が楽しめないように出来ているってことなのかな。(自己暗示プログラムはすぐに書き換えられるとか言ってたような気がするし・・・)
2023/05/20