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押見修造「惡の華」は最終回を読んだら必ずまた第一話から読みたくなる・・・!

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      2018/05/22

押見修造先生の「惡の華」を読み終えて。

もう何年も前に完結してしまった漫画ですが、やっぱりこの作者先生はすごいと思わせられる内容でした。
押見作品はどれを読んでも胸を締め付けられる感じがあります。

本作が紹介される際には、「体操着を盗んだ春日くんと、盗まれた佐伯さん、それを見ていた仲村さんの青春劇」のような感じで描かれており、仲村さんの「クソムシが」というセリフが相まってどことなくキャッチーな作品のように思わせられますが・・・うん、全然そんなことなかった。

むしろ紹介に利用される物語序盤の「中学生編」よりも、後半の高校生編がむちゃくちゃヤバかったです。

※中学生編で仲村さんに依存しまくっていた僕なので、高校生編が始まった時に常磐さんが現れた時、「入ってくんなよこのリア充が!」と思っていたんですけどね~w

そして最終回を読み終えた後でようやく仲村さんのことが少しだけ理解できるようになったり、また第一話から読み直す事で仲村さんの言動一つ一つに込められた意味を知ったり、常盤さんが仲村さんに感じたような”悲しさ”を共感できるようになる・・・つまり、また絶対読み返したくなる作品なんですこれ。

僕が最近読んだ漫画の中でもかなり「依存してしまう部類の漫画」ですね・・・。
これを今まで知らなかったのかはとてももったいなかったなと思いました。
未読の方は是非。

以下、ネタバレ含みつつ、読みきった興奮冷めやらぬ感想です。

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惡の華を全話読んだ感想

なんか思ったことをつらつらと書いていたら取り留めのない文章になってしまってました・・・。
「興奮した状態で書いているな」と、温かい目で見守ってやってくださいw

とにかく常盤さん

この漫画の中心にあるのはもちろん春日くんであり、春日くんや佐伯さんを結果的にぐっちょぐちょにかき回してしまった仲村さんという存在も大きいです。
でも、この漫画をここまで面白くさせたのは常盤さんではないでしょうか。

それは彼女がとにかく完璧すぎるほど可愛いとか、そういった事ではありません。

彼女と春日くんが惹かれていく経緯には妙なリアルさがあったと思うのです。
少なくとも僕はそう感じました。

常盤さんが本当の自分とみんなに見せている自分の姿に感じている違和感のようなもの。
この”闇の部分”は春日くんや仲村さんのそれとは全く種類が違っていたと思うんです。

彼女は特に「リア充の環境を無理してこなしていた」というわけではなく、あくまで自然に過ごしていたはずなんですよ。
でもそこに少しだけ「そうではない世界」が本当の自分の居場所なんじゃないかという葛藤もあって・・・そこに踏み出していくことで春日くんと惹かれあっていく。

僕らはどこか、自分が憧れた人間に対して「人間を超越した存在」を期待してしまうと思うんです。
アイドルはウンコしない的な。

でも、どんなに完璧そうに見える人間だって、人間なんだから傷つくこともあります。
悩みもするし、人を好きになったりもする。

常盤さんからはそういった人間らしいリアルさを感じさせてもらえた気がするのです。

リアルだから作品の世界に引き込まれる

彼女のシーンで一番印象に残っているのは、せっかく完成した小説をビリビリにしてしまうところ。

春日くんの中学時代の告白を受け、”喜々として小説を書いていた自分”がバカバカしく思えて冷めてしまったというのはすごく共感できます。

「どうしてほしいのよ私に・・・?」
「関係ないじゃん私と・・・ただ吐き出したかっただけ!?」

春日くんも言っていた通り、これは春日くんのエゴでしかないんですよね。
「きみと生きていくために」なんて綺麗ごとを言っているけれど、結果的に常磐さんを傷つけているだけ。

ただ、こうしたエゴを押し付けられたときの反応がしっかりと「人間」であって、だからこそ僕らは胸を締め付けられるのです。
常盤さんは確かにそこに生きているんですよ。

自分で考えて、行動して、喜んだり行動したりしている。
そういった描写のせいで読者はこの世界に引きずり込まれてしまい・・・抜け出せなくなる感じです。

押見修造という人はなんでこんな漫画を描けるんだろう。どんな恋愛をしてきたんだ。

仲村さんのことも少しだけ理解できた

そして先にも書きましたが、最終回を読むことで少しだけ仲村さんのことが理解できた気がしました。

彼女の目に映る世界は、「火の鳥」にあった無機物以外が全て気持ち悪い物に見えてしまうというお話を思い出させます。

仲村さんの事が少しだけ理解できると、中学生編の中二的な痛々しさも少し緩和されるんですよね。
それによって読者が二周目には彼女を受け入れる事が出来るようになる・・・というのもうまく作られているなと思います。
最低でも二周は読まなければならないわけだ!

そんな仲村さんは、最終的にはどうなってしまうんでしょうね。
気になるけれど、それは知ることができなくて良かったのかもしれないなぁ・・・。

仲村さんは仲村さんであって、「ふつうにんげん」にはなれやしないわけだし。

作中ではまだ高校生だからいいけれど、あれであのまま大人になったらそれこそ見てられないんじゃないかな・・・。
彼女にはしっかり彼女の幸せを見つけて欲しいです。

一番かわいそうなのは・・・

結局のところ、この作品において「つらい想いをしながらも一番幸せ」なのは春日くん(と、常磐さん)で間違いないでしょう。
そこは主人公なので、そうあるべきだったのかもしれない。

中学時代のことは、(起こしてしまったことの大小こそあれ)よくあることです。
黒歴史として、そのうち笑って話せるようになる・・・ハズ。

・・・あくまで本人たちにとっては。

何気にこの作品って、春日くんと常盤さん以外で二人に関わった人たちは軒並み不幸になったような気がしますw

たとえば佐伯さんの友人である木下。
彼女は例の一件さえなければあの街で生きて死んでいく事になにの疑問も抱かなかったでしょう。
一生「ふつうにんげん」として生きていき、そこそこ幸せだったと思います。

でも春日くんと仲村さん、そして佐伯さんによって気付かされてしまったことがあり、気づいてしまったが故に不幸になってしまうのではないかと思わせられました。

当の仲村さんだって、結局”消える”ことは出来なかったわけで。
「ふつうにんげん」ではないと自分に言い聞かせながらも、彼女なりに折り合いをつけて生きています。

僕が一番かわいそうだと思ったのは、佐伯さん。
作中では「普通に幸せを得られた人」という立ち位置にされているけれど、僕ら読者は騙されませんよねw

春日くんと仲村さんに触れることがなければ、それこそ優等生として疑いもなく普通に幸せな人生を送っていたでしょう。

でも、彼女は二人に触れてしまっているわけで・・・「普通に幸せ」なポジションに付かされているということが滑稽に映ってしまうわけなのです。
・・・願わくば、心から幸せであって欲しいけれど。

もしかしたらこの作品は「誰かの幸せの裏には必ず誰かの不幸せがある」というのを伝えたかったのかな!

これは僕だ!

あと僕が印象に残っているのはこれ。

akunohana4

「いやー昨日さー友達んち泊まってー そのまま学校きたからさー しょーがないでしょ」

と言われた時の春日くん。

「・・・・・・あ そっか・・・」(そうとは思ってない)

そりゃー彼氏持ちの女の子が「友達んち泊まって」なんて発言をしたら、童貞は「友達じゃないっしょ」って思いますよ・・・。
実際にどうだったかなんて関係ないんですよ。僕らはそう思いこんじゃう・・・って話なんです。

つくならもっとマシなウソつけよな!!

常盤さんの小説のプロットを読んだ春日くんが
「ほんとに・・・これ・・・この主人公・・・これは僕だ!」
と感動するシーンがありますが、むしろこのシーンの春日くんを見ていたら「これは僕だ!」と言いたくなりますよ・・・。

こういうのが物凄く上手なんだよなぁ・・・。
ほんと、作者さんはどんなつらい恋愛をしてきたんすか!!!

おわりに

というわけで、読み終えた興奮そのままに感想を書きなぐらせて頂きました。

ほんとこの作品って、読み出した最初の頃は「中学生の痛々しい感じ」があって直視できないような漫画だったのがウソみたいです。

読めば読むほどつらい・・のに面白い「惡の華」。どうやったらこんなセンスが身につくの・・

高校生編の春日くんを見ているうちに「そうだよね。中学生ってあんな感じの危なっかしい感じだったよね」と、中学生編も少しやさしい気持ちで見られるようになりますし。
結局最後には「なんだか良かったよな」と思わせられるのはすごいですよね。

あと何周読むかはわかりませんが、これもしばらくは世界観から抜け出せない漫画になるだろうなぁ。

追記

ちなみに、あまりにも春日くん春日くん書いてたら、きまぐれ☆オレンジロードの鮎川の声で再生されてきちゃった。(ぜんっぜん関係ないけど)

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