パピーミル題材の漫画から目を背けてはいけないと思った話
パピーミルって知ってます?
子犬生産工場っていう意味らしいんですけども。
要は、悪質なペットショップだったり、ブリーダーを自称する悪徳繁殖屋を揶揄した言葉ですね。
普段使っている漫画アプリ「コミックDAYS」でアニマルシェルターを題材にした漫画「首輪のない犬たち」(島田英次郎)が始まりまして・・・その第一話がパピーミルに関するお話でした。
すごく心が痛くなるので、こういうのって本当はあんまり読みたくないんですけどね。
でも漫画のコメント欄に寄せられていた意見を見て、やっぱり目をそらしてはいけないんだなと思いました。
まるで商品みたいに・・・
この漫画の第一話はアニマルシェルターのボランティアスタッフとして働く主人公(ハルちゃん)が、悪質な繁殖現場に出会ってショックを受けるという内容になっています。
過去に「ペットショップで一目惚れして迎え入れた」犬を飼っていた経験がある主人公のハルちゃん。
悪質な繁殖現場を目の当たりにした際、獣医師の「(悪質業者にとっては)治療に金をかけるより捨てたほうが安上がりってことなんだろ」という言葉に
安上がりって何ですか!?
生きてるんですよ?生き物なんですよ!?それをまるで商品みたいに・・・
と激高します。
すると保護シェルターの代表であるヒナタさんが「今さら何言ってんの?」と。
店に並べとけば一目ボレとやらで客はガンガン衝動買いしてく
だからジャンジャン売りまくる業者も出てくる
なら 大量の「廃棄」が出るのは当然でしょ?
それとも・・・・
自分だけはカヤの外だとでも思っていたの? ハルっち—
と、詰めるわけですよ。
ここで第一話が終了。
で、これを読んだ読者が何を感じたかとコメント欄を見てみたんですが、ハルちゃんと同じく悪質業者に激高している意見ばかりかと思いきや・・・
- ボランティアしてくれてる人に八つ当たりするのは違くない?
- この手の漫画ってペットショップに異様な敵意を向けがち
- 保護施設の人ってペットショップで買ったっていうと口撃してくる
などなどがあり、僕はちょっと驚いてしまったのです。
汚いものは見なければ自分は綺麗?
なんていうか・・・ペットショップで生体販売をすること、それを買うこと自体が「悪」ってわけではないとは思うんですよね。
問題は売買にかかるその裏側を知らないまま、のほほんとしてていいのか?ってところで。
たとえばフォアグラなんかもそうなんですけど、何も考えずに「高い金出せばレストランで食べられるもの」っていう認識だけでいいのか?と。
もっと身近なところでいうと、スーパーに並ぶ牛肉、豚肉、鶏肉もそう。
裏では「屠殺」っていって、その命を奪う仕事をしてくれている人がいるわけなんですけども。
そういったリアルを抜きにして、「肉っていうのはスーパーに並んでいる赤い食べ物」って認識だけでいいのか?って。
今回の漫画のヒナタさんも、ペットショップで買うということに異様な敵意を向けているわけでも、それを口撃してるわけでもなく。
「一目ボレとやらでガンガン衝動買いしていく」っていうところに引っかかってるんじゃないかと思うんですよ。
「売ってるから買う」・・・じゃなくて。
生物が販売されている背景がどうなっているのか?というところにも目を向けましょうね、と。
もしちゃんと考えていれば「まるで商品みたいに」なんて発言は出なかったんじゃないかな。
(屠殺をしている方たちに「豚さんに酷いことしないで」とかも言わないわけで・・・。)
おわりに
ペットショップで犬を買う人も、どこぞから貰ってくる人も、やっぱりこういった事実から目をそらしてはいけないと思うんです。
こんな漫画、本当に読むのもすごくツライんですけど、「読まなければなかったことになる」ってわけでもないんですよね。
そういえばこないだ、ホムセンで嬉々としてカブトムシを買ってもらって嬉しそうな少年を見たんですけども。
こういうのもまぁ、同じことだよなー。
(じゃあ森にいるカブトを捕まえてくればOKなのか?と言われると、それもまた唸ってしまうところではありますが。。。)
追記
先日テレビの坂上さんの番組で、中学生の女の子が捨て猫を保護して坂上ハウスに勝手に持ってきちゃった・・・ってのをやってて。
諸々坂上さんに諭されて「無責任な保護をしてはいけない」と悟ったようでしたが、命を粗末にする業者や飼い主に比べて幾分も立派だったと思います。
いずれにせよ「その裏では何が起きているのか?」というところまで思考を広げられるようになれば、もうちょっと感じ方は違うのかもしれませんよね。
(動物に限らず、たとえばなぜ安く衣料品が買えるのか?とかとか)