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ぱいどんを読んだ感想【手塚治虫×AI】

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      2023/08/08

手塚治虫先生の新作・・・!
「ぱいどん」を読みました。

[参考]キオクシア #世界新記憶01「TEZUKA 2020」

いつまで読めるのかはわからないけど、公式サイトでPhase1の前編後編が無料で公開されています。

これ、要は「人間とAIのコラボで手塚治虫先生の新作を作っちゃおうぜ!」っていうプロジェクトでして。
何が凄いって、手塚先生が当時考えていたようなことが実際に起きちゃってるっていう・・・BTTFの空飛ぶスケボーが2015年に開発されるみたいな、そういう夢のあるお話だと思うのです。

僕は手塚治虫先生の大ファンというわけではないですが、学生の頃からちょこちょこ読んできました。
それぐらいの立場の人にしてみたら、「ぱいどん」は「すごい!手塚作品っぽい!」って感情と「でも偽物っぽい!」っていう絶妙な作品だったんじゃないかと思います。

そんな感じの感想をダラダラと書かせてください。

「ぱいどん」は手塚作品なのか?

このプロジェクトが発表された時、手塚漫画が好きだった人は少なからず心が躍ったのではないかと思います。

もしかしたら「火の鳥の完結編が読めるかも・・・」という期待すらあったかもしれません。

僕は「手塚治虫の完全新作」みたいなコピーをどこかで見た気がしたのですが、どこで見たかは失念しました。

さて「ぱいどん」は果たして「手塚作品」なのでしょうか。

手塚治虫先生が描いたものか?というと、これは完全に違います。
では手塚治虫先生の頭の中にあったものか?というと、これはちょっと難しいところで・・・。

手塚治虫の完全新作とも言えるし、手塚治虫の作品ではないとも言える、なんとも不思議な作品なのではないかと思うのです。

おおがかりな同人誌である

んで、きっと多くの読者が感じたと思うんですが、これって(悪い意味ではなく)「おおがかりな同人誌」なんじゃないかなと。

プロの大人たちが頑張って作り上げた偽物というか。

僕の中では「品のある田中圭一」みたいな、そんな作品に思えてしまいました。

もちろん手塚治虫リスペクトは随所に感じられるし、なんとなく手塚作品を読んでいるような気にもさせられるんだけど、どこかで「これは偽物だから。同人誌だから。」と囁く悪魔の声が聞こえてきちゃうんですよね。

もし「人間とAIがコラボして手塚作品を作り上げた」というのを聞かずに、「手塚氏の完全未発表作品があった」としてこれが世に出ていたら、僕は見事に騙されたのだろうか??

手塚作品かどうかはさておき、手塚治虫の考える世界じゃんね?

でまぁ、これに関して「本当に手塚作品と言えるのか」みたいなことを挙げるのは野暮ってなもので。
「ぱいどん」が厳密な手塚作品ではないことは誰もが理解しているわけですよ。

だってストーリーやキャラクターこそ、AIのディープラーニングでプロットを作ったとはいえ、ネームやペン入れは人間がやってるわけで。
(そもそもAIがやっててもそうだけど)やっぱり同人誌、頑張って手塚先生の漫画に”似せた”作品に違いないのです。

ただ!!!

「こういうのって、本当に手塚先生が考えた未来にある1シーンじゃね?」って思うんですよ。
もしご存命だったなら、ロボットが自分の代わりに作品を書いて紡いでいく・・・みたいなことって考えてたんじゃないかなぁと。

それで、それこそ「ロボットが書いた僕の漫画は果たして手塚作品なんだろうか」みたいにご本人も苦悩してたりしてw

どっちにしろ、こういう試みに嫉妬しながらも面白がってくれただろうに違いない。
そう考えながら読むとまたちょっと違った感動が得られるのではないか??なんて思いました。

作品自体が面白いのかどうかも、また別の話

そんでもって、「ぱいどん」という作品自体が面白いかどうかはまた別の話で・・・僕の感想は正直「飛びぬけて面白い・・・というわけではない」というものでした。

「手塚治虫の~」みたいな煽りがなければ読み進めることもなかっただろうし、今後がどうしても気になる!!という冒頭1話でもなかった気がします。

かといって手塚作品に感じられた作品自体の奇抜さとか、そういう魅力があったわけでもなかったかなーと。

・・・というか、純粋な評価がされづらい作品のようにも思えますね。

今のところ「ぱいどん」は、その試みを楽しむ作品であって、今後は「作品自体を楽しむ作品」となり得るのかどうかも気になるところです。

おわりに

ただ!!
とにかく、いろいろ総合的に面白かったです。
なので未読の方は読める期間が終わっちゃう前に一度読んでおくべし。。。

なんか、僕は自分が生きているうちにこういう機会に出会えてよかったな~って思いましたよ。

だってきっとドラえもんが生まれる2112年までは生きられないじゃないですか。
それと同じで、「手塚作品の復活」というタイミングに出会えなかった人もいるわけで・・・そういう意味では幸せだったわけであります!おぬぬめ!

   

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      2023/08/08

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