漫画「奴隷遊戯」はなぜボロクソに叩かれるのか
ジャンプ+で連載中の奴隷遊戯シリーズ。
2017年からスタートし、「奴隷遊戯GUREN」「奴隷遊戯DIDI」と名前(および作画担当)を変えて2023年現在まで続いている長寿漫画です。
ジャンプ+で6年ってすごいんじゃない・・・?
つい先日DIDIの休載がアナウンスされたのですが、その理由が「コメント欄への酷評によるものではないか」と憶測されていたりします。(真偽は不明w)
なぜ奴隷遊戯はこんなにも長く続いているシリーズなのに、未だに酷評されるのか・・・?
奴隷遊戯三部作の経緯
初代「奴隷遊戯」は奇跡的な面白さがありました。
設定もやってることも無茶苦茶なんですけども、当時の読者はなんだかんだ毎週とても興奮しながら読んでいたと思います。
特に終盤の5人体制になってからですね。テラノさん、ガトーさん、有村さんという個性的かつ魅力的なキャラクターが活躍する様はさながらプロレスを見ているようなエンターテインメント性を感じたものです。
この初代のお話(第一部?)が終了する際、主人公は目的を果たせぬまま・・・つまり、バッドエンドを迎えました。
所有する奴隷は奴隷落ちしたまま、もしくは死亡させてしまった状態。
たしか連れ去られた幼馴染も救出できず、親の死の真相なんかも不明のまま自身も奴隷堕ち・・・という感じだったと思います。
で・・・当然その続きが読めるのだろうと思っていた第二部(GUREN)。
主人公が変更になって戸惑ったものの、まぁ作画の人も同じですしギリ「続き物」として読めました。
(といってもあんまり内容覚えてなくて・・・モナミちゃんっていうアイドルがいたことぐらいしか、、、)
第一部の面白さが尋常じゃなかった故なのか、GUREN連載中もそこそこ文句は上がってきてたんですよね。
やれ「お嬢ちゃん出せ」だの「テラノはまだか、有村はまだか」だの。
そういうことが影響してなのか、やや打ち切りめいた形でGURENも終了。
一応第一部の主人公であった海くんは妹と共に地上に開放されたかのような描写こそありましたが・・・なーんかイマイチ納得のいかない終わり方だったんですよ。
ただ、その最終ページにて続編となる「奴隷遊戯DIDI」の予告があり、続きが読めるのだということで歓喜したのも束の間・・・作画担当者が木村隆志先生から宗像夏潼先生に変更になったことで違和感が爆発。
要するに読者が「何を読まされているのかがわからない」という状態になってしまったのです。
作画を変えないことの重要性
奴隷遊戯DIDIが面白いか面白くないかという話の前に・・・やっぱり「作画が変わる」というのはそれだけ漫画を左右することなんだというのを出版社の人は理解した方がいいと思います。
たとえばとよたろう先生が描くドラゴンボール。
あとはワンピース学園などなど・・・元の漫画家さんの絵をリスペクトしていかにそっくりに作り上げようとも、やっぱり読む人にとってはニセモノに映ってしまうわけです。
あれだけ作画を似せられても、なんか「バチッとハマってない感」があったりするんですよね。
昔COMIC CUEという少し尖った感じのコミック雑誌で、マンガ家先生たちが他の漫画をカバーする「トリビュートアルバム」みたいなことをやっていたことがあったんですけど・・・その時にも同じようなことを感じました。
絵が上手いとか下手だとか、お話が面白いとかそういうお話ではなく・・・その作品と作画がバチっとハマっているのか否かというのは読者は無意識化で判断しているのではないかと思います。
そういう意味でDIDIの絵というのは奴隷遊戯を読みたかった読者にとってはハマらなかったのではないでしょうか。
※ベルセルクの最新刊なんかもそうなんですけど、あれは三浦健太郎先生へのリスペクトがあって、かつベースとなるお話が三浦健太郎先生のソレなので、今のところ違和感なく読めているのかなーと。
つまり、作画が変わってしまった時点で、面白さが二倍にも三倍にも膨れていなければ・・・読者から悪い評価が下ってしまうのも仕方ないのかもしれません。
偉大過ぎる父を持つ苦悩
まぁ、なんだかんだ前二作に比べて「相対的に面白くない」というのもありました。
面白くないっていうのは決して悪口ではなくて・・・なんですかね、ジャンプなんかだと後ろの方に載っている漫画って読まなかったりするじゃないですか。
奴隷遊戯DIDIは話の内容的に、ソレなんだよなぁーというところはあります。
もうね・・・本当に「何やってるのこれ?何を見させられてるの?」っていうのがずっと続いててね、、、
さらには偉大過ぎる父(初代)のせいでハードル上がりまくってますのでね・・・そう考えると今の作画担当の方、よくこの仕事引き受けたよなぁとw
おわりに
ちなみにこの漫画、人気だった初代は「ヤマイナナミ」さんっていう方が原作だったんですよ。
これがGURENからは「原案:ヤマイナナミ 原作:井深みつ」となってしまって、「いや原作者変わってんか~い!!」と読者からのツッコミが多く入ったのですが・・・
Wikipediaによるとヤマイナナミさんっていうのは井深みつさん(脚本担当)ともう一人(企画立案)によるユニット名だったそうで、、、
そう考えると立案こそ違えど原作者は三部とも一貫しているわけで・・・DIDIだけズバ抜けてつまらない理由にはならないはずなんですけどね~。
やっぱ作画が変わってしまったことが問題なのかな。(絵はとても上手いんですが、、、)
それか・・・なんか無茶苦茶なことを言う担当編集でも付いちゃったのかなー。