大長編ドラえもん「のび太の新魔界大冒険」コミカライズ版の感想【原作リメイク】
2023/08/08
大長編ドラえもんは子供の頃楽しみにしていた漫画の1つでした。
当時コロコロコミックで4回ぐらいに分けて連載されてたんですが、 僕はたまにしかコロコロを買って貰えなかったので、もっぱらコミックス派でしたが。
そんな大長編ドラえもんの個人的な最高傑作は、「のび太の魔界大冒険」です。
SFの世界であるドラえもんにファンタジー要素を詰め込んだ作品で、 大人になった今読んでも本当にワクワクします。
のび太の魔界大冒険は2000年代初頭にドラえもんがリニューアルされたあと、 2007年に新魔界大冒険 7人の魔法使いというタイトルでリメイクされました。
映画版ももちろん面白かったんですが、今回「その原作が出ている」との情報を得て、取り寄せてしまいました。
・・・とはいえ、F大先生はもう何年も前に無くなっているわけですよ。
どうやって原作が出たの???
F先生のお弟子さんが描くF先生テイストの原作漫画
答えは、厳密には原作ではなく「映画ストーリー原作のコミカライズ」でした。(知ってた)
その作品がこちら。
あれ、なんか表紙イラストの感じもF先生っぽい!?
・・・って思いますよね。
それもそのはずで、著者の岡田康則先生は藤子プロでアシスタント出身なんだそう。
岡田先生のドラ・・・すごく・・・F先生みたいです・・・。
(とはいえ、 キャラの全身の抜きを随所で使ったり、天井から見下ろす構図があったりと・・・F先生がやらなさそうな独特さに違和感を覚えてしまうこともありましたが)
なので、F先生の漫画と思って買うと、 「おーっ、っぽいなー!!」って感心する部分と 「あれ・・・やっぱ違う」という気持ちが交互にやってきて混乱しますw
原作との相違も楽しめる作品
この漫画を手に取って、おそらく初めにやることといえば 原作との違いを探すことでしょうw
細かい話は省略しますが、 大筋は原作通りといった感じ。
そこに新しいテイストが追加されています。
なので、有名なチンコガホイ・・・チンカラホイの設定も生きてますし、 デマオンの秘密なんかもそのまんまです。
(あとはドラちゃんがかぶってた魔法ぼうしの効果もそのまま効いてましたw)
エンディングの唐突さも同様ですね〜。
大長編ドラって、エンディングがすごい唐突なのよね・・・。
そんな中でも僕が感心した相違点は、メジューサのデザイン。
原作ではトラウマものの怖さだったメジューサが、 F先生テイストをうまく盛り込んだうえで、なんだか愛すべきデザインになっていたことです。
これなら怖くないでしょ!?
怖くないのがいいことなのかはわからないけれど、 トラウマ残るよりはいいかなとw
残念だった点
やっぱり原作信者の僕からしたら、残念だった点もありました。
まずは人魚とツノクジラのシーンがカットされているところ。
あそこはね〜・・・人魚の恐ろしくも美しい様と、ジャイアンの活躍が描かれていただけに残念です。
つぎに「帰らずの原」のシーン。ここもまるまるカットされてます。
まっすぐ進んでいるはずが、同じ悪魔の骨に出くわす(つまりループしてる)など、 これも子供ながらにとても恐怖心を覚えたシーンなので、 トラウマが無くなる分にはいいんだけど、ワクワクもなくなっちゃう残念さがありました。
そして極め付けは、デマオンに一度敗れたあとで 追い詰められたのび太を助ける為に美代子が岩陰から飛び出していくところ。
今見てもむちゃくちゃカッコいいシーンですよ。
このままポスターにしたいぐらい。
このシーンはそのまま再現されてたんだけど、F先生の原作が綺麗すぎてリメイク版は少し陳腐に見えちゃったかな。。
おわりに
何はともあれ、30年近く経ってリメイクされた大長編を観られるのは嬉しいことでした。
しかもアニメコミックスではなく、原作風に描かれた漫画ならなおの事よ、、、
僕が好きな大長編には「のび太と鉄人兵団」もありまして、 これもリメイクされてますね。
残念ながらこちらは映画の方すら観ていませんし、 コミカライズもされてないみたいです。
追記
映画・・・観たで・・・!
2023/08/08