「名無しは一体誰でしょう？」の読了。フリーレン効果で再度注目が集まって欲しいミステリ漫画
「葬送のフリーレン」の原作者である山田鐘人先生の連載デビュー作・・・でしょうか。
2013年から週刊少年サンデーSで連載されていた「名無しは一体誰でしょう？」を読み終えました。
最終回がなかなか「打ち切り」な感が強いというか、まぁ謎もすべては解けてないし、唐突に終わってるし・・・打ち切りだったんだろうなぁーという感じではあったんですけども、そこまでに至るエピソードが面白く、稀に見る「打ち切りなのに面白い」という漫画だったのではないかと思います。
・・・てかなんで打ち切りになったのコレ？？
願わくば、フリーレン人気からの復活という形で続編が読めると嬉しいのですがｗ
「名無しは一体誰でしょう？」が面白い
これは所謂「ミステリー」になるんですかね。
主人公たちが自身に課された謎を小出しにされるヒントをもとに解いていく感じのお話です。
デスノート等に代表される頭脳戦がメインで、ある程度賢い人じゃないと完全にはお話を理解できないのではないか？とさえ思います。（事実、ワイはいまいち理解できてない）
自分正体を探る記憶喪失ミステリー!
今、僕には、三つの困ったことがある。
一つ、気付いたらここにいること…
二つ、記憶が無いこと…
三つ、刃物を持った女の子が目の前にいること…とある場所で意識を取り戻した時、
異常な情景が目の前に広がっていた。
舞台は2024年5月17日の近未来。
『僕』の、謎と記憶を巡る物語が始まる…!
物語は主人公が意識を取り戻した後からスタートし、「自分が何者なのか？」というのを卓越した推理能力で明らかにしていく・・・というものです。
打ち切りなのが惜しすぎる
その後、とある組織から命を狙われたり、同じく記憶を失った”主人公に近しい間柄の人物”が登場したり、「未来に起きる事件」を言い当てたまま自殺した人物がいたことが明らかになったりと・・・もうね、どう考えても面白い展開になっていくのですが・・・
「おれたちの戦いはここからだ！」
というような場面で唐突に物語は終わりを迎えてしまうのです。
一応、「どのように主人公たちの記憶が奪われてしまったのか？」という部分の解はあるものの、誰が何の目的で？という部分については触れられないまま。
まぁ、全5巻で終了してしまっているのでね・・・広げた風呂敷を回収するには短すぎる、と読む前から気づけてもおかしくなかったのかもしれませんがｗ
キャラクターもそこまで掘り下げられずに終了してしまっていて、本当に惜しいんですよ。
これ、完全版出たら絶対にもっともっと面白いでしょ。
なのに何度でも読みたい不思議
と、中途半端な作品（失礼）ではあるのですが、「また読みたい」ってなっちゃう魅力があるんですよね・・・不思議。
現にワイいま2周目行ってます。
もしかしたら「何度か読んでいるうちに完全に理解できるようになるかも」「今ある情報だけで真相に辿り着けるかも！？」という期待もあるのかもしれません。
あとは小気味良いテンポでお話が進むというのも影響してますね。
さらにいうと、全5巻という短さなのに、主人公たちに感情移入しちゃってた感もあります。
キャラクターが深堀りされてないとは言いましたけど、キャラクターが立ってないわけでもないというか。
特に僕は霊堂綴という第三の主人公に位置するキャラがめちゃくちゃ気に入ってまして。
あの表情とあの喋り方・・・もっと見ていたい！という気持ちにさせられました！
おわりに
というわけで・・・「名無しは一体誰でしょう？」を読んだ、というお話でした。
もう一度言っておきますが、タイトルにもなっている「名無し」が一体誰なのか？？という部分に関しては物語内で明らかにされておりません！
他にもいろいろな伏線が全然回収されないまま「おれたちエンド」になっちゃってます。
いや、そもそも「主人公は一体何者なのか？」というようなところから、黒幕っぽい「篝火」が誰なのかも全然・・・本当に全然わからないままｗ
何度も読み返せばわかるようになるのかしら？？？
あとですね、これはちょっとネタバレになっちゃうんですけども。
記憶喪失と関連する「人格とは一体何か？？」というお話が深くて面白かったですね・・・。
あなたがあなたであると決定づけるものは何なのか？？
たとえばテセウスの船のように、自分の体の組織を少しずつ他人のものと変更していった場合、まるで他人の体になってしまった自分は果たして「自分」なのか？？
ではその「自分」を定義する記憶というのは一体何なのか？？
（記憶喪失になった自分は自分なのか？？？）
おそらくはこういったところがもっと突き詰められていく漫画だったんじゃないのかなぁ！？
いい子にして待ちますから、山田鐘人先生×岡崎河亮先生での名無し～の復活、オナシャス！！！！
